【番外】セントアンドリュース

2017年5月某日


 スコットランドでも仕事の合間、現地のビジネスパートナーの案内でゴルフの聖地、セントアンドリュースでゴルフをする羽目になった。ゴルフコースに隣接するオールドコースホテルに投宿。



玄関には、歴代の名プレイヤーのパネルが並び、スコットランドの正装、キルトを纏ったドアマンが出迎えてくれる。



ホテルの各部屋には、歴代の優勝者の名前が刻まれている。256号室は、2000年優勝のタイガーウッズだ。



ホテルの部屋からはセントアンドリュースのゴルフコースが一望できる。遠目には何だか河川敷のゴルフ場のようだが、間違いなく、ここがゴルフが発祥したと言われる、すべてのゴルファーが憧れる聖地なのだ。



全英オープンを代表するショット、オールドコース18番も見渡すことができる。こんなホテルで一泊できるなんて、なんとも幸運なことだ。



さあ、いよいよプレイの時間がやってきた。意外なことに、セントアンドリュースはパブリックのゴルフ場。とはいえ、オールドコースは簡単に予約できるものではないようで、プレイするのはジュビリーコースだ。コースには、英国、スコットランド、そしてセントアンドリュースの旗が靡いている。



セントアンドリュースには、オールドコース以外に、ニューコース、ジュビリーコース、キャッスルコースなどのコースがある。真ん中の緑色がオールドコース、そして海沿いの緑色がプレイするジュビリーコースだ。風の影響を強く受け、距離も長い。



クラブハウスで、早くもその風格に圧倒されてしまう。スターティングホールで見学していると、全員が全員ともナイスショットでスタート。う~ん、この難コースに、ヘッポコゴルファーが挑んで良いものかぁ・・・。しかも、今日初めて触る貸しクラブだ。



1番ティーグランド。樹木が無いせいか、広々と感じるが、後続組のギャラリーが注目し、強風が吹き荒んでいるなかでのティーショットでは大緊張。ややプッシュアウト気味とはいえ、なんとか200ヤード以上飛んで、最低限の面目は保つことができた。



しかし、その後も地に足がつかない状態から抜け出せず、右に左にボールは散って、たびたび深いブッシュにボールが突っ込む。キャディさんが、探してくれるが、出てくるとは思えないし、見つかっても、打てるはずもない。結局序盤で、早々に3つもボールを失う。



セントアンドリュースは全て歩き。贅沢にも一人ずつ雇ったキャディさんが、バッグを軽々と担いでコースを先導してくれる。単にバッグを担いで、クラブを手渡してくれるキャディではなく、こちらの腕前を見抜きつつ、適切なアドバイスをしてくれる。まさにプロのキャディだ。



コースの横には海。強風は、アゲインストになったり、フォローになったり、残りヤード数ではクラブの選択が容易ではないが、キャディさんが、150ヤードでグリーンの右端を狙え、などと、適切に教えてくれる。



コースの横には、公道があり、付近の住民と思われる方が犬を連れて散歩していたりする。生活とゴルフが完全に融合している。そもそもゴルフとは、非日常のスポーツではなく、厳しい羊飼いの仕事の合間の息抜きであったことを思い出す。



ブッシュも厄介だが、バンカーも厄介。17番になって初めてバンカーに入れたが、逆に凄く嬉しい。セントアンドリュースのバンカーは是非体験しておきたかったのだ。難しい位置のボールはあったが、見事一発で脱出。かなり嬉しい。



18ホールを徒歩でスループレイし、強風、そして中盤では降雨もあり、暑くなったり寒くなったり、噂に聞いていたとおり1ラウンドで四季を体験できた。後半は、ようやく興奮状態も収まり、クラブにも慣れることができ、日本でのプレイとほぼ変わらないスコアに纏めることができた。もっとも、キャディさんの存在が無ければ、こうは行かなかったはずだ。気持ちよく、多めのチップをはずんだ。



忙中閑歩日記始まって以来の、贅沢なウォーキング。ゴルフをしながら、強風・降雨のなかを7~8kmほどを歩いたはずだが、あまりの興奮で、少しも疲れなかった。


 

ロンドン散策

2017年5月14日(日)


約半月の海外出張のなか、ロンドンにやってきた。体はキツイけど、素晴らしい好天。ホテルに荷物を預け、時間と体力の許す限りで、約15年振りのロンドンを歩き回る。何かイベントでもあるのだろうか、ハイドパークの傍で、ダークスーツに勲章を胸にいくつも付けて、シルクハットに蝙蝠傘という、絵に描いたような英国紳士の団体と遭遇する。



ロンドン市内には、ハイドパークを始め、自然豊かな大規模な公園がいくつもある。バッキンガム宮殿に隣接するグリーンパークもそのひとつ。暖かい日射しのなか、ピクニックや日光浴を楽しんでいる。



バッキンガム宮殿前の広場は大変な賑わい。世界中の人たちが観光に訪れているようだ。



バッキンガム宮殿からセントジェームズパークの中を通り、英国中枢機関が集中しているウェストミンスター方面に向かって歩く。路上にはダイアナ妃メモリアルウォークと書かれた銘板が嵌め込まれている。後に調べてみると、ダイアナ妃に所縁のあるエリアを巡る11kmのウォーキングコースが設定されているようだ。



セントジェームズパーク。これまた広大な公園のなかに、古いイングランドの風景が残されている。



公園には池も多く、鴨や白鳥などがノンビリと羽を休めている。リスもあちらこちらに現れる。警戒心もあまりないようで、これほど容易にリスの写真を撮ったのは初めてのことだ。



スペインの無敵艦隊を破った海戦を記念して造られたトラファルガー広場。ロンドン有数の観光地であるとともに、動物虐待に反対する集会なども行われていて、大勢の人が集まっている。2人の騎馬警官が周囲をパトロールしている。



ホースガーズ。乗馬した騎兵が門衛をしている。大勢の観光客に囲まれつつも、馬も衛兵もピクリとも動かない。蹴ったり噛みついたりするかもしれない、との注意書があるが、大胆にも馬に触れながら記念写真を撮る人達が後を絶たない。



地下鉄のウェストミンスターストリート駅の標識の向こうに、ウェストミンスター寺院が聳える。以前訪れた際には、大規模で威風あるゴシック建築と、内部の荘厳な雰囲気に圧倒されたが、日曜日はミサが行われているはずなので素通りする。



国会議事堂に使用されているウェストミンスター宮殿。テムズ川の畔にビッグベンが聳え立つ、ロンドンを代表する風景だ。それにしてもテムズ川って、どうしてこうも茶色いんだろうか。



テムズ川を渡って、ミレニアム記念で作られたロンドンアイ方面に向かう。人力車も多数停車し、ビッグベンより、ロンドンアイにカメラを向ける人の方が多いように感じる。今やロンドンの主役の座は交代したのかもしれない。



どこに行っても観光客が多く、ロンドンが大ビジネス街であるとともに大観光地であることを痛感する。しかし、偶然見つけたナイチンゲール記念館のように、あまり観光客の姿が見られない穴場スポットも多くありそうだ。



二階建てのバスや、車高の高いブラックキャブが決して広くはない道路を行き交う。ニューヨークもそうだが、日本の首都高速や阪神高速のような都市高速道路が無いだけに、道路は総じて混雑がひどい。



ロンドンを代表するターミナル駅のひとつ、ウォータールー駅に立ち寄る。欧州の大概の駅では切符は車内で検札するため、ホームまで進入できたのものだが、いつの間にやら、自動改札が導入されている。鉄道ターミナル駅は、海外での一人歩きで、トイレや食事など、とても重宝する。



ロンドンは、コミュニティレンタサイクルが広く普及しているところ。町のあちらこちらに駐輪施設が設置されている。それにしても、どうして、サドルが極端に高いもの、極端に低いものばかりあるのだろうか。



テムズ川に沿った遊歩道を北に進む。右の建物は国立劇場。稀に見る晴天のせいか、観光客も地元の人も、のんびりとウォーキングを楽しんでいる。



テムズ川には砂浜のようなものもあって、何やら砂のアートを作っている人たちがいる。写真はいいけどカンパしてね、と書かれたボードの横に置かれているバケツめがけて。堤防の上から皆がコインを投げ入れている。



シャボン玉のパフォーマンスに興じる子供たち。かつてはテムズ川の東南部は、あまり雰囲気のいい感じではなかったが、いつの間にやら様変わりしている。



路上ミュージシャンも多数。なかなか路上ではお目に掛かれそうにないハープ奏者まで見られる。



2000年に造られた、テムズ川を渡る歩道橋。通称ミレニアムブリッジ。正面にはセントポール大聖堂が見える。しかし未だ体力も十分残っているので、橋を途中でUターンして、さらにロンドンブリッジまで歩くことにする。



かつては木造中心だったと言われるロンドンだが、17世紀の大火災で町の大半が焼失したそうだ。以降、木造建築が禁止され、石造りの建造物ばかりになった訳だが、路地の狭さは、当時と変わらないようだ。



ロンドンブリッジ。「ロンドン橋落ちた」の民謡が流れている。ローマ帝国がイングランドを支配した際に造られた、もとはロンドン市内でテムズ川に架かる橋だったそうだが、その後何度となく崩壊・流失を繰り返したが、今や頑強なコンクリート橋になっている。当然のこととはいえ、何だかガッカリ感もある。



ロンドンブリッジから、ロンドン塔に付随した跳ね橋・タワーブリッジが見える。その手前には軽巡洋艦ベルファスト号が停泊している。随分以前に退役し、今は博物館のようになっているらしい。



タワーブリッジの横にあるロンドン塔にやってきた。塔というより、城の方が相応しく感じる。ロンドンを外敵から守るための要塞として11世紀に建造されたものだ。内部を見学したいとも思ったが、あまり時間もないので、外周から観察するに留めた。



セントポール大聖堂。日曜だが、多くの観光客が訪れている。ロンドンを代表する大寺院だが、ここも素通り。ロンドンだけにドンドン歩ける、なんて思いながら、ここまで元気に歩いてきたが、時間もなく、米国、英国と長期にわたる出張疲れが出てきたようだ。



大英博物館。広大な博物館の中を見て回る元気はないが、入館無料でもあり、トイレ休憩と、軽い食事を取るべく入館。英国が海外から分捕ってきたものを展示しているだけに、入場料を取る訳にはいかない、とも聞くが、実のところどうなんだろうか。



大英博物館を出ると、それまでの晴天が嘘のような降雨。傘もないまま、ピカデリーサーカスを通って、ハイドパーク近くのホテルに戻る。

歩行距離21km、休憩込みで6時間ほどのウォーキングだったが、ロンドン市内のかなりの名所を見て回ることができた。もっとも、その大半は素通りだが・・・。



(おまけ)
後日、現地の方に連れて行ってもらったストーンヘンジ。今から4000~5000年も前に造られたものらしい。この巨岩は、300kmも離れたウェールズ地方から陸送してきたらしく、これまた驚異的としか言いようがない。



バースにあるローマ人が造ったという温泉浴場。BATHの語源ともなったところだ。暖かいローマから、寒いイングランドまで侵入してきたローマ人にとって、温泉は何よりの慰めになったように感じる。



う~ん、仕事で来ているのだが、帰国後こうして書いていると、呑気な観光旅行にしか見えないのが、ちょっと寂しい・・・。

春の水道・下水道スタンプラリー(京都)蹴上編 & 琵琶湖疎水

2017年5月5日(祝)

GW前半の4月29日に鳥羽環境水保全センターの藤を楽しんだ、京都市が主催する「春の水道・下水道スタンプラリー」。今日は、蹴上方面の3つのスタンプポイントを巡り、コンプリートを目指す。



といっても、蹴上近辺だけでは、ろくなウォーキングにならないので、JR山科駅で下車し、琵琶湖疎水に沿って南禅寺まで歩くこととする。以前、山科から琵琶湖まで疎水に沿って小関峠を越えて歩いたが、山科~南禅寺間は未踏破なのだ。



山科から東側の疎水沿いの道も良かったが、西側の道はさらにいい感じだ。穏やかな流れの疎水は、豊かなと緑に包まれている。



しかも道は、とても平坦な地道なので、ドンドン歩けてしまう。ウォーキングを楽しむ人、ジョギングに励む人、釣り糸を垂れる人・・・、それぞれのスタイルで、琵琶湖疎水で好天の休日を過ごしている。



1km余り続いた疎水沿いの道だが、トンネルに突き当たり、唐突に途切れてしまう。第二トンネルと呼ばれるものだ。入り口には井上馨の扁額が掲げられていて、この琵琶湖疎水が、一大国家プロジェクトであったことが窺い知れる。



疎水に沿って歩くことができないとなれば、南に下って三条通に通じる旧東海道を歩くか、あるいは九条山を越えていくかの二択となるが、後者を選択して山道を登っていく。



東山は多数の道が入り組んでいるため、低山とはいえ、ちょっと道を間違えると、とんでもないところに出てしまうので要注意。しかも景観保護のため、無粋な案内板のようなものは、ほとんど見られない。木に貼りつけられた葉書より小さな地図を見落とさないようにしなければならない。



六本の道が交差する七福思案処から、南禅寺に下りる道を選択。結構急な下り坂なんだけど、驚いたことに、この坂道を自転車で上っていく人がいる。



南禅寺奥之院には滝行ができる場所がある。脱衣スペースなどもあって、誰にでも解放されているように見える。「全裸で滝行してはいけない」など、守るべきルールも掲示されている。



南禅寺近くで、ようやく琵琶湖疎水に再会する。もっとも、これは本流から分岐して哲学の道方面へ繋がる分線になる。



南禅寺の水路閣。琵琶湖の水を京都北部に配水するものだ。南禅寺を訪れる観光客の誰もがカメラを向ける風格ある歴史的建造物だが、創建当初は南禅寺の風景を台無しにすると非難ごうごうだったらしい。



久しぶりに南禅寺にも参拝。バチが当たらないだろうか、と怖れつつも、他の観光客に倣って、法堂の龍の天井画を写真に収める。



南禅寺の三門。悟りに至るまでに通過しなければならない三つの関門を表しているらしい。門も立派だが、傍らにある灯籠も巨大なものだ。



塔頭のひとつ真乗院に、山名宗全の墓を発見。応仁の乱で西軍を率いた大物の墓としては、意外なまでに小ぶりだ。



南禅寺を出て、岡崎の東端に出る。かつては蹴上の船溜まりと言われたところだ。



さあ、ここからが水道・下水道スタンプラリーだ。動物園に隣接する琵琶湖疎水記念館を訪問する。



疎水記念館には、疎水建設の経緯や、大規模な土木工事の様子が展示されているが、特に興味深かったのが、琵琶湖との間の物資輸送のためのインクラインのジオラマ。インクライン部は、落差が大きすぎて船が使えないのだ。



疎水記念館でスタンプを押印した後、実際のインクラインの跡を歩いてみる。複線化されたレールの幅は2mほどもあって、現在の鉄道のレールに比べて相当広いものになっている。



インクラインの東端は、琵琶湖からの疎水に繋がっていて、船をそのまま台車に載せるようになっている。



地下鉄の蹴上駅でスタンプをゲットし、最後のスタンプポイント、蹴上浄水場にやってきた。広大な敷地に4600本ものツツジが咲き誇っているという。



GWの最中でもあり、また無料で浄水場見学もできるとあってか、大勢の人が詰めかけている。


浄水場のマスコットキャラクター、「すみと」くんと「ひかり」ちゃんも、イベントを大いに盛り上げてくれていた。この二体は、蛍をモチーフにしたものだろうか・・・。よく判らない。



スタンプは無事5つ全てを獲得。スタンプには統一感もあまりなく、係の方もお忙しくあまり丁寧に押していただけなかったが、まあ仕方あるまい。



コンプリートのご褒美は、京都の水道水が世界最高水準だとアピールしたスポーツタオル。



本日の歩行軌跡。9km余りのうち4kmほどは南禅寺から蹴上の、観光モードのブラブラ歩き。しっかり歩いたのは5kmほどでしかない・・・。