沿線散歩(1) ウワナベ古墳・秋篠寺

2012年12月29日(土)



今日の近鉄・阪神・山陽「沿線散歩」のコースは、近鉄が以前から駅などで配布している「てくてくまっぷ」の「奈良②」の完全コピーだ。説明文章も、大半が丸写しである。近鉄内部での使い回しだから、著作権上は何の問題も無いが、長年の沿線散歩ファンにとっては寂しいことだ。

だからと言って、一度歩いた道だから行かない、ということは決してしない。毎冬恒例の沿線散歩10コースの完全踏破のため、指定されたマップを忠実に歩くべく、近鉄新大宮駅を出発。佐保川の向こうに若草山が見える。この季節には珍しい、ウォーキングには絶好の天気だ。



15分ほどで、宇和奈辺(ウワナベ)古墳に到着。濠越しには確認できないが、前方後円墳だそうだ。ススキと古墳と空のコントラストを際立たせる写真を試みたが、全然上手くいかない・・・。



宇和奈辺古墳と、小奈辺(コナベ)古墳に挟まれて、航空自衛隊がある。幹部候補生学校のため、本格的な滑走路とかは無いはずなんだけれど、教育用かPR用かは不明だが、何機かの航空機が緑地帯に設置されているのが見える。



小奈辺古墳。波風もない晴れた日なので、まるで逆さ富士のように、墳丘が濠の水面に綺麗に映っている。



仁徳天皇の皇后、磐之媛命(いわのひめのみこと)の陵墓の濠端を歩くが、樹木が生い茂り、中を窺い知ることは難しい。仁徳天皇の浮気に怒って難波高津宮を飛び出したことで知られるが、1700年経ってなお、堺と奈良に分かれて別居中ということになる。



今回のコースは、「歴史の道」として奈良県が設定しているもの。標識も多く、迷うことはない。いい道なんだけど、もう少し印象に残るネーミングが欲しいところだ。



ハジカミ池にやってきた。このあたりに住んでいた土師氏に由来する溜め池のようだ。
池には多くの鴨が泳いでいたが、我ながら上手く撮れた。



このハジカミ池の水中から、摩訶不思議なカーブミラーのようなものが出ている。何のために設置されているのか、全くもって不明だ。添え木のようなもので、固定されているので、何かの拍子で道から池に落っこちたものでも無さそうだ。



ミラーが、道路と同じくらいの高さしかないうえに、やや下向きになっている。周囲の道や駐車場から、角度を変えてミラーを覗きこんだが、水面や、池の淵が見えるだけ。まさか鴨のためのものなのだろうか・・・。あまりに不思議なので、長い時間、この場を立ち去ることができなかった。



少しコースを外れて、水上池へ。地図上では、大きな池の真ん中に、真っ直ぐの道があるように見えたので、興味を惹かれたのだ。行ってみると、道と見えたものは、長い堤防のようなもので、その上には草木が生い茂っている。池の中の一本道を歩くという考えは、夢に終わった。



平城宮跡にやってきた。遷都1300年で復元されたものだけに、未だ真新しい。安っぽく感じてしまうのは、奈良の他の寺社仏閣の歴史が深すぎるせいかもしれない。大極殿の裏手にあるバス停の建屋も、同じ色、同じデザインで作られているのは景観的には馴染むのかもしれないが、逆に、大極殿がバス停の親玉程度のような存在に見えてしまうのは、歪んだ見方だろうか。



佐紀神社から、近鉄京都線の平城駅方面に向かう。このあたりは天皇陵墓が並んでいる。2世紀の成務天皇陵と、8世紀の称徳天皇陵が隣合っているなど、色々と疑問も沸いてくる・・・。



 平城駅から、神宮皇后稜を通って、秋篠寺に到着。


庭の苔がとても美しい。実際の色は、写真よりもっと萌黄色というか、エメラルド色というか、神秘的な雰囲気さえ感じる色なんだけど・・・。



秋篠寺から南下して、西大寺までやってきた。かつては東大寺と並ぶ奈良の巨刹だったが、その後、かなり寺域も削られてしまったのだろう。今や、東大寺と大きさでは比べようもない。それでも、広大な敷地だ。




2008年に近鉄「あみま倶楽部」に入会して、年間50コースを歩いたうちの1つが、このコースのはずなんだけど、悲しいかな、途中の風景の多くは初めて見たように感じた。要するに、5年もすれば、2度めの道も初めてと変わらないということかもしれない。

まとめ

歩行距離   9.2km
所要時間   156分 (2時間36分)
歩数      15600歩 (しっかり 11900歩)