キリシタン自然歩道+スタンプラリー(茨木)

2013年1月27日(日)



昨日の疲れは残っていたが、天気もいいので、予定通り、茨木市で開催されている「世界へ羽ばたくキリシタン遺産」に出掛ける。もっとも主目的は、併催のスタンプラリーと、キリシタン自然歩道(キリシタン街道)。スタンプポイントは、南茨木の「文化財資料館」、千提寺の「キリシタン遺物史料館」、「京都大学総合博物館」の3ヶ所。京大は端から諦めて、茨木の2館訪問を目指す。



まずは、南茨木駅から徒歩5分ほどのところにある、茨木市立の文化財資料館を訪問する。2Fで、かなり大がかりにキリシタン遺産の特別展示が行われていて、来場者も予想以上に多い。これまで触れる機会が無かった分野だが、教科書などでよく見かけるフランシスコ・ザビエルの肖像画など、数多くの重要なキリシタン遺産が、茨木市で発見されたことを初めて知った。



南茨木駅前に、高さ6mを超す真新しい像を発見。東日本大震災からの復興を元気づけるために作られたものだそうで、放射能防護服を装着した子供が、防護マスクを脱ぎ、未来に向けて踏み出すところを表す「サン・チャイルド」というモニュメントだそうだ。



近畿自動車道の下を潜る歩道。真ん中に歩道を広く取り、その左右に一方通行の自転車道があり、柵で厳密に区切られている。自転車道には1台分の幅しか無く、あくまで歩行者優先だ。自転車と歩行者の共存は、繁華街に共通する重要テーマだが、面白い対策だと思う。



以前購入したガイドブック「もっと!阪急ハイキング」によると、キリシタン自然歩道の全長は10.5km。元々の計画では、南茨木から、自然歩道の起点となる安威までの6.5kmも歩くつもりだったのだが、さすがに今日は計17kmの登りを行く気にはならない。

で、安威までは、電車&バスで移動・・・、のつもりで阪急茨木市駅に着いたら、丁度バスが出たところ。30分待つ気にもならず、タクシーを使ってしまった・・・。気を取り直して、阿為神社から、キリシタン自然歩道ハイキングに出発だ。阿為も安威と同じく「あい」と読むらしい。



自然歩道には、要所ごとに標識が立てられている。これなら、迷うことはなさそうだ。



しかも標識には、小さな地図が嵌め込まれていて、現在地と進むべき道が示されている。実に有難い標識だ。



安威からスタートして、 40分ほどは、ニュータウンの外縁を歩く。元の自然豊かな山林とニュータウンとの間には山茶花なんかが植えられていて、とても気持ちがいい道だ。でも、ちっとも自然歩道らしくない・・・。決して急坂ではないが、ずっと上りが続く。



ニュータウンの中にある、「おさん・茂平の碑」。おさん、という若奥さんが、茂平という若者と恋仲になって、駆け落ちするものの、結局この地で心中したそうだ。許されなかった身分違いの恋なら良いが、不倫や密通を美化するような碑を立てるのは、イマイチ理解できない。それはさておき、どういう訳か、碑は、古墳の前にあって、傍には発掘された石棺などが置かれている。



地味な上り坂が続く。霞の中に大阪のビル群のシルエットが浮かんでいる。蜃気楼みたいな感じだ。もっとも蜃気楼なんか見たことは無いんだけれど・・・。



ニュータウンを抜けても、古い集落が断続的に続く。どうやら、このあたりは彩都開発の東端にあたるようだ。西地区は、かなり開発が進んだが、東地区はどうなるのだろうか・・・。



新名神高速の工事の関係で、道路の通行止や迂回路の設定がされている。本来のキリシタン街道をショートカットしているのか、あるいは遠回りしているのか。地図のどこを歩いているのか、さっぱり判らなくなってきたが、とにかく道標に従って歩いて行く。



この道も2月1日からは、通行止になるらしい。工事の関係で迂回路の設定は、目まぐるしく変わっているようだ。こうなると、手元のガイドブックの地図は、全く役に立たない。



新名神の工事現場。この辺りにはインターチェンジができるので、かなり広範囲に山を掘り返している。最終形がどうなるのか、想像もつかない。



どこを歩いたのか、安威から1時間半ほどで、隠れキリシタンの里、千提寺に到着。静かな山間の村落を想像していたが、新しい家屋も多く、農業を営むお宅は少ないようだ。古い神社もあり、キリスト教関連の施設に高山右近の像がある以外、一見しただけではキリシタンの隠れ里を感じさせるものはない。



キリシタン遺物史料館に到着。ステンドクラスなどもあって教会風だが、十字架は無い。茨木市立だけに宗教施設にする訳にはいかないのだろう。入りにくそうなドアを開けると、館内は満員状態。このイベントに合わせて、この地で発見されたキリシタン遺物を集めたとはいえ、この人気には驚いた。南茨木の文化財史料館と同様、入場無料。茨木市、なかなかやるじゃぁないか。



遺物史料館の近くにあるクルス山。ここで「上野マリヤ」という墓碑が見つかって、千提寺が隠れキリシタンの村であることが判明したそうだ。この山も新名神工事で破壊されるとの話もあるようだが、今はその墓碑も遺物史料館に仮置されている。



キリシタン自然歩道は、千提寺から、さらに北に続く。ここで、ようやく自然歩道の様相を呈してきた。竹が多く、冬にも関わらず、とても青々しい道だ。



忍頂寺交差点に到着。実際の忍頂寺は、さらに山の上にある。



忍頂寺から、さらに北に向かう。さらに自然歩道らしくなってきた。道も狭く、路面もデコボコだけれど、こんな道が大好きだ。



最終目的地の長谷口に到着。棚田が見える。あぁ、これが長谷の棚田か、と瞬間思ったけれど、棚田で有名な長谷は能勢の方だ。こちらは「ながたに」と読むらしい。



長谷口からのバスは、1時間に1本。さらに途中、忍頂寺で、バスを乗り継いで帰宅。

スタンプは2つだが、2館達成の記念品として、マリア十五玄義図のクリアファイルを貰った。



まとめ (安威~長谷口)

歩行距離   10.5km
所用時間   177分 (2時間57分) 史料館見学時間を含む  
歩数      15400歩 (しっかり 9100歩)