愛宕山ハイキング(京都)

2013年4月20日(土)



冷え込みが厳しいうえに、夕方から雨の予報だというのに、かねてから予定していた愛宕山登山を決行することにした。まずは阪急嵐山駅に向かう。



嵐山からバスに乗って清滝へ。昨年も4月に、京都一周トレイルで訪れた。鞍馬から北山を歩いて清滝まで歩き、翌週は、清滝から西山を通って上桂、そして起点の伏見稲荷まで歩いた。

昨年は暑さのため、喉の渇きに苦しんだのを思い出し、ペットボトルを3本リュックに入れて出発したが、昨年と異なりヒンヤリしている。しかも、案内板によると、山上は、ここより10度ほど気温が低いとある。まあ、汗掻きにとっては、ちょうどいいかもしれない。



登山口には愛宕山の大鳥居がある。この道が表参道で、山全体が愛宕神社の神域ということになる。といっても、戦前にはケーブルカーが敷設されて、比叡山に向こうを張ったリゾート地になっていたという。



海外の人も多いんだろう。英語の注意書きもある。往復5時間以上は掛かるから時間を十分に取れ、日没までに帰って来い、とある。



登り始めたのは良いが、人がやたら多い。こういう登山は苦手だ。体力も無いくせに、他人と張り合おうとする悪い癖が出てしまう。結構キツイ山だと聞いているので、ゆっくりと自分のペースで登るよう心がける。



もっとも、否が応でも、ゆっくり歩かざるをえない。階段ばっかり続く。息を整えることができる平坦な道がほとんど無い。



道端には、お地蔵さんが、設置されている。写真を撮っているのは、お地蔵さんに興味があるからではなく、実は立ち止まる言い訳が欲しいのだ。



高度が200mくらい上がる度に、休憩小屋があるのだが、先客に占領されている。ここでは、ボーイスカウトの少年達が多数遊んでいた。全然元気なんだから、何もわざわざ休憩小屋で遊ぶことはないだろうっ!



ようやく平坦な道に差しかかって、視界の広がる場所にやってきた。正面は、どうやら嵐山のあたりのようだ。


平坦な道は、すぐに終わり、また登り道が続く。不吉なことに、ベルトのバックルが千切れて、直せなくなる。まあ、ズボンのウエストに余裕が無いので、ベルトが無くとも大丈夫なんだけど、どうも腹に力が入らない・・・。



ついに、愛宕神社の黒門にやってきた。なんと、石段に、寄進者と思われる名前が彫られた石碑が使われている。摂州大坂住人の山中さん、なんとお気の毒な・・・。



黒門をくぐって、社務所のある広場に出て、ゴール、と思ったが、山頂の神社までは、さらに急な階段を登り続けなければならない。



愛宕神社に到着。山頂の表示は無いが、ここが山のテッペンのはずだ。登山口から約2時間半掛かってしまったが、京都市最高峰を制覇した。比叡山とケンカして、殴られて出来たコブの分だけ、愛宕山が高いと言われる。

ここで歩数計を見てビックリ。わずか6000歩だ。しかも、一定以上のペースで歩いた時に記録される「しっかり歩数」は、なんと0歩・・・。



愛宕神社は火避けの御利益だけでなく、明智光秀の愛宕百韻で知られる。本能寺の変の数日前、愛宕神社に参拝した際に詠んだ、「時はいま、雨が下しる、五月かな」の歌が、天下取りの意を含んでいるとか、いないとか、「下しる」ではなくて「下なる」だなど、400年以上に渡って諸説紛々なのだが、なぜか、この神社には明智光秀を感じさせるものが、何も見当たらない。



社務所の横にある薪置き場に、アワビの貝殻が吊られている。アワビの貝殻には魔除けの意味があると聞いたことがあるが、まさか、これは火除けの意味なんだろうか。火除けで有名な愛宕神社のお膝元で、アワビの貝殻を吊っているとは、興味深い。



愛宕山に登って気付くのが、小さな子供が多いこと。山道で、泣いている子供に多く出会った。子供の足では、到底登りきれる山ではない。お父さんやお母さんが、おんぶしている姿も、何度も見かけた。



どうやら愛宕山には「三つ参り」という言い伝えがあるらしい。子供が三歳までに、愛宕神社に参拝すると、その子は一生火事に遭わないそうだ。



帰りは、愛宕神社から東に向かい、月輪寺から清滝に戻る予定だった。ケーブルカーが敷設していた道にも近く、廃線跡でも発見できればラッキーと考えていたのだが、うっかり表参道に戻ってしまった。同じ道を通って帰るのはイヤな性分なのだが、うまい具合に、水尾に下りる分岐点があった。手持ちの地図の範囲外だが、水尾まで3kmということなので、問題無かろう。



杉木立の中の林道を下りていく。気持ちのいい道、と言いたいんだけど、石がゴロゴロしていて、とても歩きにくい。明智光秀が亀岡から愛宕山に登った際に通ったのは、この道に違いない、と気付いて、ちょっと嬉しい。



表参道と違って、途中のベンチも、とても素朴な造りだ。



猪対策か、熊対策か、道の脇には延々とネットが張られている。



ヤマツツジ(だと思う)が、とても美しい。



山頂から約2時間、ようやく水尾の里に下りてきた。結構時間が掛かったなぁ・・・。で、駅はどこ?と調べたら、JR保津峡駅までは、さらに4km以上も歩かなければならないと判明。水尾ルートが、表参道やルートや月輪寺ルートより、かなり距離が長い、と今頃になって気付く。



水尾は、柚子の里。柚子風呂の看板が、アチコチに掲げられている。しかし予約制のようで、飛び込みでは入れてもらえない。



水尾からコミュニティバスで帰るという手段もあったが、待ち時間が惜しい。結局、保津川駅まで、テクテク歩くことにする。ここで、ついに「明智」の文字を発見。それにしても、明智越って、どこに行く道なんだろう?光秀の居城があった亀岡だろうか?



川沿いの道を歩いて、保津川の橋まで、やってきたが、どうやって、あの橋に行くんだ?雨もパラツキ出してきたので、少し焦り始める。



行ったり戻ったりをしながらも、無事、保津川橋を渡る。保津川を下る船が見える。今日の川下りは寒いだろうなぁ・・・。



トンネルに挟まれたJR保津川駅。大した降りに出会うこともなく、無事駅に到着した。



ベルトが千切れるたり、昼飯の際に歯の詰め物が外れたり、石段で躓いて足を攣ったり、不吉なことが続いた登山だった。それでも、比叡山よりキツイと聞いていた割には、天候のせいか、思いのほか、体力を残して帰宅することができた。

まとめ

歩行距離   約13km
所用時間   344分 (5時間44分)
歩数      20300歩 (しっかり11500歩)