城東貨物線 (おおさか東線延伸工事区間)

2013年5月6日(休)


いよいよGWも最終日。昨日の六甲登山の疲れが残っていて、午前中は一歩も外に出ず。混雑しているところは行きたくないが、せっかくの晴天。午後から意を決して、おおさか東線延伸の工事が進んでいるという城東貨物線を観察しながら、放出から吹田まで歩くことにする。

既に、久宝寺・放出間が、おおさか東線として営業されている城東貨物線だが、2018年完成を目指して、さらに、放出から新大阪、そして北梅田まで伸びる計画となっている。券売機の上に掲げられた路線図では、すぐ近くに見えるが、放出~吹田の歩行距離は15km近くになる。



放出~鴫野の城東貨物線は、学研都市線と同一路線だし、今年1月に学研都市線スタンプラリーでも歩いた区間なのだが、改めて、城東貨物線に注目して歩くことにしよう。

前回と異なり、線路の北側を歩いていると、放出中学校で、面白いものを発見。運動場を、雨水の一時貯留施設としている。地盤の低い地域だけに、いろいろと工夫しているようだ。



平野川水路をわたる学研都市線の列車。 ここでは2本の線路が設置されている。



放出のあたりは、伊丹に着陸する飛行機の通り道になっている。数分おきに、頭上を飛行機が通り過ぎる。北東に進む城東貨物線が、ちょうど伊丹へ向かう航路が、ほぼ同じ向きになるため、この後も、飛行機の音がする度に、空を見上げることが続く。



鴫野は、金属関係の工場が多い町のようだ。大きなヘルメットのようなものが、並べられた工場を発見。金属の精錬所ということなので、ルツボのようなものと思われる。大工場と違って、中小の工場を中が見えるので、楽しい。



鴫野を過ぎたあたり。既存の学研都市線の隣に、線路の増設工事が行われている。やはり、学研都市線と、おおさか東線の2路線が、一つの線路を使うのは無理なんだろう。



学研都市線と、城東貨物線が分岐しているポイントを探ろうとしたが、柵などがあって近付けない。分岐後、城東貨物線は、少しの間だけ地上を走っていて踏切もある。金網を隔てたところで、複線化のための工事が行われている。



徐々に高架になっていく。しかし、高度を少しずつ上げていくので、高架下のトンネルは、ムチャクチャ低い。たぶん1mくらいだが、バイクや自転車の車庫代わりとしてはちょうどいい。



鴫野に残る、旧淀川貨物線の跡。城東貨物線から分岐して、京橋や桜ノ宮に繋がっていたという。ここから京橋の間は、いかにも廃線跡という感じの、緩いカーブになった緑道として使われている。



城東貨物線の下を潜る京阪電車。このあたりでは、京阪は地上を走っている。城東貨物線より、京阪が先に完成したということなんだろう。京阪も高架を順次進めているが、今度は京阪が城東貨物線の上をいかなければならない。長い年月を経て、負けるが勝ちって感じだ。



どうやら、少なくとも淀川貨物線との分岐点より北側は、城東貨物線は、元々複線化されていたようだ。橋脚は複線仕様になっている。列車が少なくなったため、レールや鉄橋が外されて、単線になったのだ、と、この時点では思った。(後刻、当初から単線だったことが判明する・・・)



線路脇の柵には、枕木のリサイクルと思しき資材が使用されている。



線路脇の道というのは、迷いようが無いようで、実はアテにならない。調子よく歩いていても、すぐ先に進めなくなる。思いのほか、遠回りを余儀なくされる。



立派な法面だ。コンクリートの橋脚による高架ではなく、基本的に、土盛りにより高架化された区間が多いように見える。



自然に生い茂ったのか、植林されたのか、よく解らないが、線路の脇には緑が深い。写真の右側に線路の高架があるようには見えない。もっとも、どこでもゴミの不法投棄に悩んでいるようで、ゴミ投棄禁止を呼び掛ける看板が、やたらと多く目につく。



都島区に入ると、鉄道工事中の柵が、線路高架の脇に延々と張り巡らされている場所が特に多くなる。



淀川の手前で、「蕪村通り」なる商店街を発見。こんなのあったかなぁ・・・。与謝蕪村は毛馬の出身だから、地域ブランドアップに活用するのは良いことだ。坂本龍馬空港みたいなものだ。しかし蕪村は、成人してからは二度と毛馬には帰ってこなかったとも聞く。



さあ、いよいよ淀川をわたる赤川鉄橋にやってきた。 この鉄橋を渡るのが、今日のウォーキングの第一目的なのだ。



というのも、赤川鉄橋が、おおさか東線の工事のため、この秋から歩けなくなるというのだ。それにしても、看板によれば、80数年にわたりご利用いただいた、とある。ということは、1929年に運転開始された城東貨物線は、複線仕様だったにも拘わらず、ずっと単線だったのだ。



橋の下流側は線路、上流側は歩道&自転車道になっている。結構利用者は多い。ここを使えなくなると困る人が多かろう。以前はもっと歩きにくい路面だったように記憶しているが、今はしっかりと縞鋼板が張られて、自転車もスピードをあげて走ることができる。もっとも、それが歩行者には厄介な存在になっているようだ。



淀川のワンドの向こうに、梅田のビル群がよく見える。



正式には、歩道部分は「赤川仮橋」と呼ぶようだ。JRとしては、必要な時が来れば、いつでも閉鎖するという条件で、歩行者や自転車に開放してきたのだろう。



赤川鉄橋の北側の土手を走る道は亀岡街道になるらしい。淀川右岸を東行し、高槻から亀岡に向かって北上するようだ。一昨日(摂津峡)といい、今日といい、亀岡街道の文字が目につく。亀岡に呼ばれているような気がする。高槻~亀岡間を歩いてみるかなぁ・・・。



東淀川区に入ると、更新された立派な高架橋梁が目につくようになってきた。以前は、ボロボロの鉄道遺跡という感じのところが多く見られたのに、もはや、そんなレトロな部分はほとんど見当たらない。



城東貨物線は、淡路駅の東で、阪急京都線の上を越える。その後、すぐに、今度は阪急北千里線を越える。




そして、最後に、新幹線の下を潜る。新幹線の車窓からも見えるはずなんだが、これまで目にした覚えがない。



新大阪にまっすぐに繋がるのではなく、吹田までの城東貨物線の線路を最大に活用するため、一旦神崎川を渡って、吹田市に入る。この橋も複線仕様になっている。



吹田市に入ってから、現城東貨物線から分岐し、Uターンするような形で、JR東海道線に合流する工事が進められている。新駅の工事も進んでいるようで、ここは「西吹田」という仮駅名が与えられている。西吹田より、南吹田の方が場所的に適当なようにも思えるのだが・・・。



新しい線路は、大きくカーブを描いて、東海道線に合流していく。新大阪か吹田まで行くつもりだったが、ここから先は、既知の道。日も暮れかけてきたので、地下鉄江坂に向かって帰路につく。


 

まとめ


歩行距離   約14km
所要時間   264分(4時間24分)
歩数      23400歩 (しっかり 16800歩)