沿線散歩(3)奈良 &森スタンプラリー(春日山)

2013年12月29日(日)


「森とのふれあいスタンプラリー」も、春日山原始林を残すばかり。今日は、近鉄・阪神・山陽共催の「3社沿線クイズ&スタンプラリー(通称:沿線散歩)」の奈良コースも併せて歩く。

近鉄奈良駅に降り立つと、いきなりクイズになっている銅像が出現。沿線散歩のスタンプポイントは駅だけなので、クイズは、コースを踏破したことをを証明するために、コース半ばで出題されるべきなのだ。阪神なんば線の開通に伴って、沿線散歩に近鉄も加わって何年も経つが、未だ近鉄からのコース設定は、このスタンプラリーの趣旨に外れたものが目立つように思う。



今回の沿線散歩は、奈良公園、興福寺、東大寺、春日大社、新薬師寺といった観光名所をグルッと回る定番中の定番ルートで、新鮮味は感じない。それでも来るたびに、寺社は異なった表情を見せてくれる。今日の興福寺の五重塔は、気温のせいか、とても凛としている。



国立博物館から東大寺大仏殿に向かう道は、人間と同じ数くらい、鹿がいる。歩いている人の半数ほどは、海外からの観光客と見受けられるが、鹿を可愛いと思うのは万国共通のようだ。もちろん、鹿たちも鹿せんべいをくれるならば、誰にだって愛嬌を振りまく。



東大寺の大仏殿。入場はせず、外の柵の隙間から撮影。かなりの人出だ。大仏殿の前までは、毎年のように来る機会があるが、大仏様には20年以上、お目に掛かっていない・・・。



二月堂のあたりで、群れから離れて、とても立ち姿の美しい鹿がいた。



若草山の山麓にやってきた。ここも奈良を代表する風景だ。なだらかな斜面を芝が覆っている。簡単に登れそうな雰囲気だが、標高は300m以上で直接登っても30分ほどは掛かったはずだ。冬季は閉山していて、登山道は使えない。



さあ、若草山の南麓で、沿線散歩のコースを外れて、春日山遊歩道を通って、春日山原始林に入る。これからがウォーキング本番だ。



春日大社の東側一帯の山々が春日山。9世紀以降、狩猟や伐採が禁じられてきた聖域のため、奈良の市街地からさほど遠くないにも関わらず、人の手が加わっていない原始林が維持されている。高木・低木、常緑樹・落葉樹、針葉樹・広葉樹、と様々な木々が混在した森だ。



春日山原始林を一旦外れて、大きく迂回するかたちで若草山の頂上にやってきた。山麓からの風景とは異なり、いくつもの山が重なっていることが判る。笠を3つ重ねたようなので、別名三笠山と呼ばれる。かつて三笠宮家が創立された際、宮家と同じ名前の山を踏みつけるのは畏れ多いと、若草山に改名したと聞く。奈良の市街地から、生駒山まで、眺望は素晴らしい。



3つのうちの最上部、即ち春日山の頂上は、4世紀に造られたと思われる鶯陵と呼ばれる前方後円墳になっている。



奈良奥山ドライブウェイを通って、再び春日山原始林を満喫して歩く。幸い全く車は走っていない。途中、往復1kmほど寄り道して、原始林の北東のはずれにある鶯の滝を見に行く。



鶯の滝から戻り、再び、奥山ドライブウェイへ。春日山原始林の石碑が立っている。



ドライバーにしてみれば、細くてウネウネと走りにくい道なんだろうが、ウォーカーにとっては広くて凸凹の少ない歩きやすい道だ。



春日山原始林の東南の端にある石窟仏。平家が壇ノ浦で滅ぶ前年に製作されたものだ。動乱が続く都を忌避した僧侶がこの地に籠って作り上げたものなのかもしれない。不心得者の狼藉を防ぐため、無粋な金網で囲われていて近寄ることはできない。金網の隙間から写真を撮る。



石窟の前に、「森とのふれあいスタンプラリー」が設置されている。誰が見張っている訳でもない山の中で、スタンプが見つかるのか、また見つけてもスタンプが無事にあるのか、不安な思いで始めたスタンプラリーだったが、見事4つのスタンプポイントをクリアできた。



首切り地蔵。首のところで、割れているが、伊賀上野鍵屋の辻の仇討で有名な、江戸初期の剣豪、荒木又右エ門が試し切りをした跡だと伝えられている。



帰路は春日山遊歩道ではなく、柳生街道を使って奈良に戻る。滝坂の道とも呼ばれるこの道は、石畳が敷き詰められた渓流沿いの道。もっとも、石畳は、かなり乱雑な造りで、表面の凹凸も大きいため、靴底を通して足の裏をかなり痛めてしまった。



街道に沿っては、石仏や岩肌に彫られた観音像などを見ることができる。



約12kmの春日山原始林ウォーキングを終え、春日大社で再び沿線散歩のコースに戻る。初詣の参拝客を迎える準備は着々と進んでいるようで、境内には巨大な仮設賽銭箱が既に設置されていた。



春日大社の周囲には、膨大な数の常夜灯が寄進されているが、これら全てが点灯すれば、周囲は大変な明るさになると思われる。




猿沢池の近くにある、中谷堂という餅屋。高速餅つきのパフォーマンスで有名な店だ。年末になるとこの店を取り上げるテレビ番組が多い。残念ながら、臼と杵は店内にあり、店頭でのパフォーマンスは行われていなかった。



最近全く歩数をカウントしなくなった万歩計に見切りを付けて、新しいものを購入した。数あるものから、階段を上った歩数をカウントするものをチョイス。以前の「しっかり歩数」は無くなり、代わりに「早歩き歩数」がカウントできるようになっている。今日はそこそこの登山だったはずだが、残念ながら階段歩数は僅か900歩ほど。ダラダラとした登り道ではカウントしてくれないようだ。


(写真の早歩き歩数は、奈良でのウォーキング開始以前の歩数を含んでいる)


まとめ


歩行距離    約18km
所要時間    282分 (4時間42分)
歩数       27400歩 (早歩き 18500歩)