熊取(雨山・永楽ダム)~水間観音

2014年3月21日(祝)


午前中に用事を済ませ、JR熊取駅にやってきたのが午後1時前。熊取って、熊が捕獲されるような山間の集落ってことから名付けられたと思っていたが、市のHPによると、周囲を山地にクマドリされた場所、ということらしい。もっともマンホールの蓋には可愛いクマが描かれている。



今日の目的地は、以前から気になっていた熊取町の雨山。雨乞いの山として知られるとともに、古くから紀泉両州を睨む城が築かれていたところ。大層見晴しが良いうえに、近くにダムもあって、ハイキングコースが整備されているらしいが、いくらネットを探してもまともな案内図が見当たらない。駅下にぎわい館なる観光案内所でも、アバウトな地図しか入手できなかった。



どうやって雨山に行くのかもよく分からないまま、丁度駅前に粉河方面に向かうバスがやってきたので、飛び乗り、雨山登山口に近そうな大阪体育大学口で下車する。しばらく歩くと、写真で見た雨山の山影が見えてきた。



山影は見えるのだが、登山口がわからず、いつものことながらアチコチ歩き回った末に、阪和自動車道の近くに、雨山城址の標識を無事発見。



阪和道の高い橋脚には、それぞれ長い猿梯子が付いている。一体何のために設置されているのだろうか・・・。



登山口には、頂上の城跡まで50分、とある。そんなに高い山には思えないのだが、見かけによらず手強い山のようだ。50分かけるつもりで ゆっくり歩くが、ひたすら登り続ける道に、次第に息が上がってくる。



山を登るにつれて、シダの群生が目立つ。



ゆっくり歩いてきたつもりだったが、30分で城跡に到着。観光案内所で貰った熊取町全体の大雑把な観光マップには、雨山神社があると書かれていたが、頂上にあったのは質素な祠だった。せっかくなので、あまり深く考えずに参拝する。



頂上の休憩所には、雨山にお城を!のポスター。 お城もいいが、まずは判りやすいマップが欲しいものだ。観光案内所に用意されていたものは、あまりにも簡素すぎる。



休憩所には、自由に登山の感想などを記載する「雨山日誌」が何冊も置かれていた。落書きのようなものも見当たらず、多くの人に愛されている山だと判る。



山頂からの眺望は素晴らしい。関西空港や淡路島を手に取るように見渡すことができる。山の麓には、多くの溜め池がある。古来、水に苦労してきた地域なのだろう。雨乞いの山がここにあることも頷ける。



雨山から永楽ダムに行くには、登ってきた道を戻る道しかマップには記載されていないが、現地に来ると直通する道があることが判る。熊取町が発行するマップには、雨山を境に隣接する泉佐野市の道は記載されていないのだ。自治体マップにありがちなことだが、他自治体の道や名所を記載しないのは、責任回避なのか遠慮なのかエゴなのか、とにかく全く利用者泣かせだ。



東の永楽ダムに向かうはずが、何故か南に向かっている。北側斜面と異なり、南側斜面は岩肌が露出しているところが多く、樹木も低木や若木ばかりだ。この道で正しいのか不安になりながら進むが、なんと、みぞれ交じりの雨が降ってきた。雨山神社にお参りしたせいなのか・・・。



道に不安を感じながら進んでいると、分岐点が現れた。ところが、そこにあったのは、3つの方向全てに「火の用心」と書かれた標識。肝心な分岐点で、一体なんのための標識なのだろう。



とにかく針路を東に取るべく、左に左に道を選んでいくと、かなり整備されたハイキングロードになってきた。



永楽ダムを見下ろすところまでやってきた。ここまで来ると、道に迷う心配はない。



永楽ダムの周囲には桜の並木がビッシリと植えられている。あと半月もすれば、ダム湖はピンク色に分厚く縁どられるに違いない。



ダムから再び阪和自動車道まで下りてきたが、未だ日も高く、体力も残っている。熊取駅まで歩こうかと思ったが、貝塚市の水間観音に向かうことを思いつく。阪和自動車道に沿って東に進む。



貝塚市のマンホールは、市の花、コスモスがデザインされているのだが、平らな部分が多く、他市と比べても格段凹凸が少ないように見える。かつては、市ごとにマンホールのデザインを変えるというのは税金の無駄遣いと感じていたこともあったが、各市がアイデンティティを競うように描かれた渾身の絵柄を観察するのは、とても面白い。




加えて、マンホールの蓋というのは、貴重な市有財産。マンホールのサイズが基準化されているため、他市のものでも間に合うことになる。まさか他市から盗む自治体があるとは思えないが、何故か他市のマンホールを見つけることがある。今日も貝塚で、堺市のマンホールを発見した。



永楽ダムから1時間余り歩いて、水間寺までやってきた。随分久しぶりだ。立派な三重の塔が有名で、泉州を代表する寺社の一つのはずだが、何故か全く参拝者がいなかった。



さらに水間寺から10分ほど歩いて、水間鉄道の水間観音駅に到着。わざわざ水間まで歩いてきたのは、これまで乗った記憶が無い水間鉄道に乗るため。水間寺をモチーフにしたような、門前町に相応しいお洒落な駅舎だ。



車両の吊り広告は、すべて「笑顔あふれる電車プロジェクト」という、笑顔の写真集のようなもの。壁広告は貝塚市内の名所案内。広告収入は全く無さそうだ。水間観音駅から貝塚駅まで、5.5kmで280円というのは安い運賃ではないが仕方ない。それより運転手さんの動きがキビキビしていて、とても好感が持てる。



全線で10の駅がある。平均駅間距離は約600mとかなり短い。名越(なごせ)、清児(せちご)、石才(いしざい)、近義の里(こぎのさと)と、なにやら歴史的な由来がありそうな難読駅名が連なっている。


 

まとめ


歩行距離   10~11kmくらい
所要時間   212分(3時間32分)
歩数      18000歩