3社沿線クイズ&スタンプラリー⑨ 加古川

2014年12月29日(月)


年賀状やら大掃除やら、用事は沢山あるのだが、こんなときこそ忙中閑歩。何とかヒマを作って歩きに出かける。今日も近鉄・阪神・山陽三社連携の沿線散歩スタンプラリーのうち、最長距離となる加古川コースの制覇に出掛ける。



スタート駅は山陽電車の別府。新幹線がすぐ隣を走っている。「べふ」と呼むが、大分の別府と同じく、平安時代に荘園の拡張のために、税率軽減措置で開発を促進した地域だと聞く。現在の特区制度みたいなものだと、勝手に理解しているが、まったく間違っているかもしれない・・・。



別府は、多木化学の本拠地。駅前の巨大ショッピングモールも多木ビルだ。本社らしき建物は100年以上続く会社の歴史を感じさせる



門扉が空いているものだから、勝手に前庭に入らせてもらったが、なんだか歴史遺産的なものが寄せ集め的に並べられている。興味深いのは、3つの石鉢。肥料を作るために、獣骨を粉砕するために使われた乳鉢のような役割を果たしたものだそうだ。



別府駅から、どんどん海に向かうと、古くから漁の安全を加護する神様として崇められてきた静謐な神社と思いきや、鳥居の柱にデカデカと刻まれている文字はかなり気宇壮大なものだ。



境内にある手枕の松。松が腕枕のように横に伸びていることから名付けられたものらしいが、現在あるのは三代目なんだそうだ。



神社の脇には、多木化学創業者の功績を讃える巨大な石碑がある。碑には、本邦初の化学肥料事業を興したことから「肥料王」と大書されている。碑文は、二・ニ六事件の犠牲となった斎藤実総理大臣によるものだ。



石碑の近くには、多木化学の迎賓館だった多木浜洋館が建っている。屋根や壁に多数の胴板を張り付けているところから、あかがね御殿とも呼ばれているらしい。随分古い建物と見えるが、何に使われているのだろうか。非公開なのが残念だ。



石炭系の臭いが漂う工場地帯を延々と海に向かって歩くと、突如リゾート風の建物が現れる。クイズポイントの加古川海洋文化センターだ。結構大きな水遊びプールまである。が、何と休刊日。クイズは、玄関に掲げられている絵に関してだが、中に入ることができない。入口のガラスに顔をひっつけるように覗きこんで、辛うじて答は確認できた。



対岸は神戸製鋼所の加古川製鉄所。石炭なのか鉄鉱石なのかは判らないが、タンカーから巨大なクレーンで荷揚げ作業が行われている。



神戸製鋼所の脇の道を延々と西に向かって歩く。東西3kmくらいはある巨大工場だが、その内部は窺い知れない。境界部には広い道路と深い緑地帯があり、さらには濠まである。まるで大名が住まう城郭のようでもあり、古代の王族が眠る古墳のようでもある。



神戸製鋼所の境界線から1kmくらい内陸に入ったところに浜の宮公園がある。松が鬱蒼とした公園だが、もともとは、この辺りが海岸線だったのかもしれない。松ぼっくりと松葉をモチーフにしたモニュメントが面白い。



戦時中は、ここに陸軍の兵舎があったそうで、今もその遺構が残されている。



この辺り一帯、神鋼専用バスが走り回っているようだ。神姫バスのバス停の何倍もの数の神鋼専用バス停が立っている。もっともデザインが同じところを見ると、神鋼専用バスも神姫バスが運行しているようだ。



白旗観音寺。名前に惹かれて立ち寄ってみた。かつて、この寺の観音様のお告げに従い、白布を船印にすると荒海のなかでも風波の厄を受けることが無かったことに由来するらしい。



他人のお宅を勝手に撮るのは、少々憚られたが、貨車を住居に転用(本来の住居にガッチリ接続している)したお宅を発見。ワフ35271とある。調べてみると、ワフとは、旧国鉄の車掌室付の有蓋貨物車である。確かに本来のお宅との繋ぎ目が車掌室っぽい。しかし屋根には瓦があるようにも見える。どのような経緯でここにあるのかは不明だが、相当な鉄道好きなんだろう。



加古川の河口付近までやってきた。向こうに見えるコンモリとした林は、お気に入りスポットの砂海浜公園だ。



加古川沿いは、「しおかぜこみち」と名付けられた遊歩道が整備されている。とてもいい感じの道なんだけど、歩いている人は他に誰もいない・・・。



海の向こうには家島諸島も見える。おそらく男鹿島だろう。



潮の香りがする加古川の土手を、ズンズン北上する。どうしたことか、今日も小雨が降ってきた。ここまで、最近にしては暖かい日だと思っていたが、ちょっと雨が降ると急に寒さを感じてきた。夕暮れも近づいている。



加古川市と高砂市を結ぶ相生橋。かなりの基幹道路だと思うのだが、歩道は片方に細いものが付いているだけだ。車は多いが、歩く人が少ない街だ・・・。



振り返れば、西の空はすっかり夕焼け状態。煙が棚引くカネカの工場の煙突の向こうに日が沈もうとしている。



高砂駅近くにある三菱製紙。新しいプラントとは別に、今も掘割に面した古い工場が残っている。



高砂市は、そのおめでたい名前から、「ブライダルシティ」を標榜している。それはいいけど、駅前のこの不思議なハートベンチはいかがなものか。地元で産出した石で作られたものらしいが、こんなところで記念写真なんて恥ずかしくて撮れたものではなかろう。



すっかり遅くなってしまった。今晩こそ、年賀状を仕上げよう。


まとめ

 
歩行距離   11.0km
所要時間   179分 (2時間59分)
歩数      17700歩