伏見名水スタンプラリー2015

2015年5月3日(日)


この1週間ほど39度にもなる高熱で寝込み、晴天が続くゴールデンウィーク前半をベッドで過ごしてきたが、ようやく快復。いったい今年で何度目の参加になるのか、歩き慣れた伏見名水スタンプラリーに出掛けることにする。



伏見名水スタンプラリーは、コースの大半が年初の「伏見五福めぐり」と重複している。毎年2回は歩きまわっているところだけに、マンネリ感は否めない。そこで、今回は趣向を変えて、阪急の長岡天神駅から歩き始めることにする。伏見のスタンプエリア西端にある城南宮まで約7kmはスタンプラリーとは関係のないウォーキングになる。



もっとも、長岡天神駅をスタートポイントに選んだのは、別の思惑があってのこと。現在阪急沿線花・新緑ビンゴスタンプラリーのスタンプ駅になっているので、行きがけの駄賃よろしく、ここで一つ目のスタンプをゲットするつもりだったのだ。



ところが、長岡天神駅構内のどこを見渡しても、スタンプ台紙が見当たらない。駅員さんに聞こうにも、たった1人(しか見当たらない)の駅員さんの忙しいことといったら、驚くばかりだ。あまりの仕事の多さを目の当たりにし、台紙ゲットは諦めて、手元のメモ帳に押印することで我慢する。ユニークな印影だけに、とても残念だ。少なくともスタンプ駅には台紙配備を充実してもらいたいことは当然のことながら、阪急電鉄は是非長岡天神駅の増員を図ってもらいたいものだ。



結局、長岡天神駅からスタートした意味は全く無くなってしまったが、気を取り直して、城南宮までの退屈そうな道を歩くことにする。名物のたけのこや、たけのこ料理を販売する店がアチコチに見られる。宅急便の旗も、たけのこ仕様だ。



旧西国街道にもあたる神足(こうたり)商店街。以前三宮から京都まで西国街道を4日掛けて歩いたことがあって、この道も歩いたはずだが、全く記憶に残っていない・・・いかにも由緒ありそうな地名で、JRの駅名も神足だったはずが、いつのまにか長岡京に変ってしまった。



桂川に架かる久世橋の東詰にある誕生寺。曹洞宗の開祖、道元が生まれ育ったところらしい。道元の出自には諸説あるようだが、久世氏の出というのが有力らしい。由緒書によれば、大正時代に永平寺の高僧が、かつて久世邸のあったこの辺りこそ、道元誕生の地として最適だ、と、えいやぁって感じで誕生寺という判りやすすぎる名前の寺を建立したのだそうだ。



久世橋を渡って、桂川を越える。名神高速道路の渋滞の様子が良く見える。



長岡天神駅から2時間近く歩いて、ようやく城南宮に到着。お正月に近鉄・阪神・山陽のスタンプラリーで城南宮を訪れた際には、初詣客で大賑わいだったが、ゴールデンウィーク中にも拘わらず、今日は随分閑散としている。こんな日の方が、しっかり参拝できて、ご利益もありそうだ。



既に十分疲れてしまっているが、ここからが伏見名水スタンプラリーの本番開始ということになる。



病気療養中に、気温は一気に上がり、周囲を歩く人の多くは半袖。こちらは季節外れとも思える長袖ポロシャツにベストまで着込んでいるものだから、暑くて汗が噴き出る。東高瀬川になるのだろうか、街中を流れるせせらぎが気持ちいい。ふと見ると「泓ノ壷橋」とある。ふけのつぼ、と読むらしい。水が壷のように深いということらしい。



第2スタンプポイントは、料亭の清和荘。かつて玄関脇にスタンプポイントがあったのが、駐車場の庭園のところに移設されていた。汚い格好で料亭の玄関脇でスタンプを押すのにこれまで申し訳無さを感じていただけに、この移設は有難い。



藤森神社。五月の節句が祭礼になるようで、既に境内には、多くの露店が並んでいる。



傍若無人に遊び回る子供たちを警戒してのことだろう。境内の石灯籠には筵が巻き付けられ、倒壊による事故を未然に防いでいる。



キンシ正宗。いつものこととはいえ、土日は休業しているため、名水が湧き出ている構内には立ち入ることができない。門扉の脇に郵便受けのように、スタンプ台が設置されている。



大国寺。小じんまりとしたお寺だが、薩摩藩との所縁が深いお寺で、島津の十文字紋がアチコチに見られる。長良川治水の平田靭負や寺田屋事件の有馬新七の墓所があったり、西郷・大久保が会談した部屋なども残っているらしいが、そのような事績の紹介にはあまり頓着していないようで、境内も駐車場化しているなど、特別なお寺という雰囲気を感じさせない。



伏見の街には、京阪・近鉄・JRの3線が縺れ合うように南北に走っている。そのため、直角交差ではない、踏切が随所に見られる。



御香宮神社。こちらもお正月には、初詣客でごった返していたのに、今日は、ゆっくりと本殿の写真を撮ることさえ可能な静謐な雰囲気だ。



大した距離を歩いている訳でもないはずだが、御香宮神社あたりから、足の疲れ方が半端ない。乃木神社までの緩やかな登り道が脹脛に応える・・・。1週間ほどほとんど歩かなかったせいなのか、息も切れる。ほとんど足を曳きづるように、乃木神社に到着。



乃木神社から伏見の街中までは、もう歩く気にならないほどの疲れ様。乃木神社の前にタクシーでもいようものなら、あっさりと乗車していただろう。極端にペースダウンした足で、伏見の酒蔵エリアにやってきた。スタンプポイントにもなっている「鳥せい」付近は、酒蔵風の飲食店がますます増えていた。鳥せいは、25組待ちという賑わいぶりだ。



黄桜のカッパカントリー。こちらも、かなりの人混みだ。先日、黄桜のカッパの作者、小島功さんが亡くなったばかりなので、特別展でもやっていないかとも思ったが、あまりの人混みと疲れのため、内部を見て回ることも諦めて、次に向かう。



月桂冠大倉記念館。げぇーっ、閉まっている。幸いスタンプは外に置かれたままだったが、御香宮神社以来の極端なペースダウンで、各スタンプポイントが閉鎖する時間に差し掛かっている。




最後のスタンプポイント、長建寺。台紙に記載されているスタンプ時間は大幅に過ぎていたが、有難いことに本堂脇に未だ設置されたままだった。最後のスタンプポイントということもあり、他よりも大目にお賽銭を奮発して、最終ポイントでの参拝を終える。



京阪中書島駅に戻って、ようやくゴール。坂本龍馬像や酒樽などが出迎えてくれる。長岡天神から歩くという奇天烈なコース取りとはいえ、平地18kmの春のウォーキングとしては、かつて無いほどに疲れた。



長年スタンプも更新されていないため、ちょっと劣化が目立つ。そろそろ新調してもらいたいところだ。お猪口もこれで幾つ貰ったことか、今年は黄桜の「さかみづ」のデザインだ。



ウォーキングの軌跡。ちょうど7km地点が城南宮。最後の3kmほどは、時速2kmくらいで歩いていたようだ。



18km、5時間、3万歩、とはいえ、ウォーキングには絶好の春の晴天、しかもオール平地という好条件にも拘わらず、足腰が攣りそうなほどに疲れきった。中書島からは、立つ気にもならず、各駅停車で帰阪。車中、すっかり寝込んでしまった。