中山連山縦走(宝塚)

2015年11月7日(土)


山登りには絶好の季節だが、何かと所用が多く休日も十分な時間が取れない。今日も午後から用事があるが、早朝に家を出て、4時間もあれば歩き切れそうな中山連山縦走に挑戦する。比較的お手軽なハイキングだが、「連山」、「縦走」という文字にテンションが上がる。一昨年、阪急電鉄が主催したハイキングのマップを手に、宝塚市の中山観音駅に降り立つ。



駅の北口を下りると、すぐ中山寺の山門が現れる。聖徳太子の建立とも伝わる古刹だが、今は安産祈願のお寺として有名なように思う。




中山寺の境内を抜けて、中山最高峰に向かう山道を登っていく。中山寺の奥の院に繋がるこの道一帯は、中山寺の寺域なのかもしれない。路傍に佇む数多くの石仏がハイカーたちを見守っている。



何ヶ所かで、石積みを目にする。このような低山には珍しいが、ケルンだろうか・・・。中山寺境内では、登山路を見つけるまで少々迷いもしたが、そこから先は一本道。ケルンが必要な登山道とも思えないが、路上にも石はゴロゴロ転がっているので、ケルンを作り上げるのに事欠かない。



中山の中腹、夫婦岩の展望台から、宝塚市内を臨む。宝塚中心部は確認できるが、その先は霞んでいて、よく見渡せない。



まだ本格的な紅葉は先のことと思っていたが、突如、見事に色付いたモミジに出くわす。まだ緑色の木々に囲まれて、この1本だけが、真っ赤に染まっていた。



奥の院への道から分かれて、山頂を目指す。ここでやっと、数年前に同じ道をやってきて、奥の院を通って清荒神方面まで歩いたことを思い出す。50歳を超えてから、行ったことがあるのか無いのかさえ忘れてしまうようになった。ドンドン痴呆化が進んでいるようで怖い。そもそも、このブログも、どこに行ったか、どこを歩いたかを忘れないようにすることで始めたものだ。



羊歯の群生を掻き分けて登っていく。登りはキツイがとても楽しい。



山頂の手前にある展望所。 休憩にうってつけの小奇麗な小屋があるものの、周囲は木々に囲まれて眺望は楽しめない。阪急のマップにさえ「展望良くない」と正直に書かれている。地形から察するに、樹木を伐採すれば展望は開けるはずだが、きっと自然休養林に指定されている山の樹木を切ることはしたくないのだろう。



標高478mの山頂に到着。小さな頂上広場の真ん中に三角点がある。



山頂付近は尾根道が続く。頂上を制覇した後も、比較的なだらかなアップダウンを繰り返し、トータルで登っているのか下っているのか判らない道が続く。しかし、連山を縦走している、という感じにはならない。登山路の近くに複数のゴルフ場があるせいか、やたらとフェンスが多いのだ。



コース中、最大のビューポイント、と阪急のマップに紹介されているのが、この地点。う~ん、確かに眺めはいいけど、ゴルフ場ではねぇ・・・。



登りと比べて、下りの登山路は狭い。前から登ってくる対向者とどこですれ違うべきか、事前によく考えながら歩かなければならない。



北摂の山々に限ったものではないが、登山路の最大の目印は鉄塔と、それを繋ぐ電線。阪急のマップにも、鉄塔とゴルフ場以外の目印が記載されていない、



連山縦走路を終え、急斜面を下る道に入る。下手くそな写真のため、この勾配が判らないのが残念だが、道端に設置されているロープの助けを借りないと、到底恐ろしくて進めないような急斜面が続く。



急斜面を下りきったところが、別のゴルフ場。カートが並んだゴルフ場の敷地内道路を進む。阪急のマップどおりに歩いてきたのに、「ハイカーが歩くのは原則やめてほしい」、「何かあっても自己責任」といった注意書きが貼り出されている。肩身の狭い思いをしつつ、ゴルフ場を足早に通り抜ける。



道端の林の中には、隣接するコースから飛んできたのだろう。ゴルフボールもチラホラと見つけることができる。



少し寄り道をして、中山連山の東端の麓に位置する満願寺を訪問する。



足柄山の金太郎、長じて坂田金時の墓所があるということで、ここまでやってきたのだ。思いのほか、立派なお墓が境内の片隅に建てられていた。源頼光の四天王のひとりとして、酒呑童子をやっつけた剛の者として名高いが、境内の説明板によれば、酒呑童子を討ち取るために眠り薬を用いたらしい。ちょっとガッカリだ・・・。



満願寺の参道。紅葉が美しい。



宝塚市と川西市の市境を歩いて、阪急山本駅に向かって下山の途中、最明寺の滝に立ち寄ることにする。滝の周囲には、不動明王が祀られている。



最明寺の傍には、井植山荘がある。三洋電機の創業家がこの地に別荘を建てたものらしい。ここが正面なのか裏門なのかは判らないが、かなり広い敷地に、趣のある和風の庭園や数寄屋などが造られているようだ。



最明寺滝。いかにも、滝行の場といった感じだ。周囲には誰もいないし、山歩きで、秋とは思えないような汗をかいていたが、さすがに滝に打たれたいとは思わない。



最明寺滝から、渓流に沿って、阪急山本駅に向かって歩いて行く。寄り道をしすぎたせいか予定を
かなり上回る時間がかかった。急いで午後の所用に出かける。



約13kmの歩行軌跡をあらためて見ると、住宅地やゴルフ場の中を歩いているようで、結構登り下りがキツイ山歩きをしたようには見えない・・・。