クレヨンしんちゃんスタンプラリー(神戸)

2016年3月27日(日)


映画「クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃」の公開記念特別企画と銘打って、 「夢の神戸で大かくれんぼ ユメミ-スタンプラリー」なるものが、神戸市営地下鉄が開催している。クレヨンしんちゃんの映画に興味がある訳でもなく、それにクレヨンしんちゃんと神戸の間に、特別な関係があるのかも、さっぱり判らないが、そんなことにはお構いなく、ウォーキングのネタとして使わせていただくことにする。



地下鉄駒ヶ林駅にやってきた。 鉄人28号のモニュメントがある新長田駅から続く商店街の南端にあたる。新長田地区は、三國志の町としても有名。漫画家横山光輝がこの辺りの出身ということで、鉄人28号に続いて、町中を三國志で埋め尽くすような町おこしを展開している。駒ヶ林駅前にも、呉の支柱とも言える周瑜の石像が建てられている。



 一つ目のスタンプポイントが商店街の奥にある、地域人材支援センター。もともとは小学校だったところのようだが、今は市民の地域活動参加支援や、ものづくり・歴史・文化を通して地域活性化を担う人材を育成するための拠点となっている。



無事ひとつ目のスタンプをゲット。予想どおり、クレヨンしんちゃんのスタンプだが、黄緑色という、メリハリの無いスタンプインクであることは残念。カラフルな色使いは、台紙だけにしておいて、スタンプは黒とか紺のような色にする方が美しいと思うのだが。



再び商店街に戻る。ひどく悩んだ顔をした、呉帝・孫権の石像がある。確かに、父の孫堅、兄の孫策が、即断即決の強烈な統率力の持ち主であるのに対して、孫権は部下の意見をよく聞いて、そして時間をかけて悩み抜いて結論を下すタイプのように感じる。どちらが優れたリーダーか、とは一概には言えない。



三國志ガーデンでは、玉璽を探すスタンプラリーが行われていて、子供たちも元気に参加していた。とても興味があったのだが、有料のジオラマ館に入場することが参加条件とのこと。ジオラマ館に興味が無い訳ではないが、まだ、ウォーキングの序盤中の序盤。寄り道は最小限にしておくことにする。



六間道商店街。名前どおり10mを超える道を有するが、かつて沿岸部の工業が元気だった頃は連日この道が人で溢れかえる賑わいだったという。震災後、大きくリフォームされた新長田駅側の商店街と異なり、昔の商店街の雰囲気を残すが、地味さは否めない。しかしこの広さを利用したイベントが連日繰り広げられているようで、この日も道の真ん中でフリーマーケットが開催されていた。



次なるスタンプポイントは、中央卸売市場。地下鉄海岸線に沿って歩く道は、神戸地下鉄主催のスタンプラリーや、平清盛関係のイベントなどで毎年2回ほどは歩いている。道を変えて、川崎重工の工場群の間を縫うように、北東に向かう。両側が工場というのに、道には鉄道の踏切がある。



それもそのはず、このあたりの川崎重工の工場では、列車の車両を製作している。どこの鉄道会社のものかは不明だが、何種類もの列車が製造され、整列している。鉄ちゃんには堪らない光景に違いない。



JRの和田岬線を渡る。三菱重工の神戸造船所に勤める人たち専用の路線と言っても過言ではなく、平日の朝夕のみの運行だ。しかし、川崎重工で製作された列車も、この和田岬線を通じてJR山陽線に乗り入れることができるようになっているようだ。



平清盛が大改修し、日宋貿易の拠点となった大輪田泊の近くにある清盛塚。墓所ではなく、供養塔のようだ。




何度も渡っていて、今日初めて気づいたが、大輪田橋の主柱には、何匹かのカタツムリのオブジェがへばりついている。上部には星座表のようなものも見える。大正時代の竣工のようだが、一体いつからカタツムリたちは、ここにいるのだろうか。



第2のスタンプポイントになる中央卸売市場。最近、大規模な建て替えが行われたところだ。何度もこの前を素通りはしたが、ビルのなかに入るのは初めて。今回のスタンプラリーでは、かつてスタンプポイントになったことの無さそうな場所を敢えて選んでいるように感じられて、とても有り難い。



市場の整備で、広大な空き地が出現した。NHK大河で平清盛が取り上げられた際には、ここに展示パビリオンやイベント会場が設営されていたりもしたが、間もなく大型ショッピングモールが建設されると聞いている。



西出町にある高田屋嘉兵衛の本店跡。淡路の百姓家に生まれながらも、自らの才覚と努力で、廻船業を興して巨万の財を築き、さらにはロシアとの外交においても重要な役割を果たした。もっと評価されてよい人物だと思う。司馬遼太郎の小説「菜の花の沖」に因んでか、前の道は「菜の花通り」と名づけられていた。




嘉兵衛本店の地から、数分歩くと、今度は、探偵・金田一耕助で有名な推理小説作家、横溝正史生誕地のモニュメントが現れた。同じ神戸出身の作家、陳舜臣が碑文を揮毫している。



第3のチェックポイントは、ハーバーランド内にある、こうべっこランド。これまた初めての訪問だ。子供たちの健全な育成を支援するため、音楽・料理・造形など様々な体験学習ができる施設となっている。



最後のスタンプポイント、新神戸駅に向かう途中、湊川神社に立ち寄る。境内の片隅に楠木正成の墓所がある。墓石には「嗚呼忠臣楠氏之墓」とある。



楠木正成の墓碑銘の八文字は、徳川光圀の筆によるもの。楠木正成の墓所の脇には、浮世離れした仙人風の光圀の像が建てられている。最近、人の好いご老公とは真逆の、剛毅で苛烈な光圀を冲方丁の小説で読んだものだから、光圀の実態は益々訳が判らなくなってきた。



新神戸に向かう頃には、雨も降りだしたが、無事ゴール。



あらためて新幹線の新神戸駅を見ると、ホントに山の際だ。新幹線では、ずっとトンネルを走り続けて、新神戸を出ると、すぐまたトンネルだ。ここしかない、というところに新幹線駅が設置されたという気がする。



スタンプは4つ。繰り返しになるが、台紙が賑やかなのだから、スタンプは、しっかりと黒一色で締めてもらいたかった。



三宮の地下鉄サービスコーナーで、スタンプコンプリートのご褒美として、クレヨンしんちゃんのシールセットを頂戴する。運が良ければ、抽選でもう少しいいものを貰えるようだ。



本日の歩行軌跡。歩行距離は12km強。