小野アルプス縦走

2016年6月18日(土)


先日の六甲縦走で須磨アルプスを歩いたばかりだが、日本一低いアルプスと称している小野アルプスに挑戦する。ハイキングマップの表紙には、とんでもない岩稜を登る写真が掲載されている。ホントにこんなトコ登れるのかぁ?とも思うが、たくさんの人が登っているようだし、標高は200mも無い低山ばかりだし、まぁ何とかなるさ、と呑気に出発。



神戸電鉄の市場駅にやってきた。電車の本数が少なく、随分時間が掛かったが、さぁ、出発とマップを見ると、なんと最寄駅はJR加古川線の市場駅だった・・・。いきなり15分ほども余計に歩く破目になってしまう。



気を取り直して、JR市場駅方面に向かう。このあたりまで来ても、加古川の水量はとても多い。それにしても、未だ11時頃というのに、既に30度は超えているんじゃなかろうか。日差しの強さは真夏並みだ。



30分ほど歩いて、白雲谷温泉「ゆぴか」にやってきた。事前に調べた限りでは、電車で来る人より、ここまで車で来て登山する人が圧倒的に多いようだ。暑さに備えて、ここで念のためペットボトルを4本も購入。一気に荷物は重くなるが、この先どこで給水ポイントがあるか判らない。



ゆぴかの裏手から、まずは高山(127m)に登る。整備されたハイキング道に気を良くし、快調に歩を進める。



高山の山頂には10分ほどで到着。この後、ハイライトの紅山まで合計8つの山頂を制覇していかなければならないが、この調子なら、どうってこともなさそうだ。



アジサイが咲く道を進む。それにしても暑い・・・。水分がいくらあっても足らない感じだ。



どうやら高山は前座だったようで、高山を下った日光峠が小野アルプス縦走路の入口になっている。



だんだん、道が怪しくなってきた。笹や蔦が生い茂り、路面が見えない。先週六甲縦走で、おそらく毛虫にやられて、右腕が真っ赤に腫れ上がり、猛烈な痒みに苦しんだのに、今日もまた小野アルプスを舐めて、半袖でやってきてしまった。



高山(127m)、前山(135m)、愛宕山(154m)、安場山(156m)と、登っては下りる、を繰り返し、4つの山頂を制覇。さすがに徐々に疲れてきたぞ。



小野アルプス縦走の東コースを踏破し、アザメ峠を過ぎ、中コースに突入すると、坂がさらに急になってきた。大嫌いな丸太階段を歩く足取りは重い。



総山(168m)の山頂まで登り、また下りて、アンテナ山(171m)の山頂まで登ってきた。写真の右に見えるのが総山だ。ここで大事件が発生。なんとトレッキングシューズの靴底部が剥がれて爪先部が口を開けている。手元にあった紐などで応急処置をするが、長持ちするはずもない。



で、ここから再び下り、次に向かうのが、小野富士と呼ばれる惣山(198m)だ。アルプスの中に富士山があるというのも、おかしな具合だ。富士山ほど形がいい山とは思わないが、小野市の最高峰になるらしい。



惣山山頂。かなりバテてきた。2リットル持ってきた水分も1.5リットル以上は飲んでしまった。ここから急坂を下れば、紅山への近道なのだけど、靴の爪先部がますます剥がれ、相当おっかない。1kmほどは遠回りになるが、安全そうな展望デッキルートから下る。



紅山の全景が見えてきた。この後、左斜面(南斜面)の岩肌をよじ登るのか・・・。見たところ40度、いや所によっては50度ほどの斜面に見える。



惣山を一旦下山して、気持ちのいい林道を、ホントにあの斜面から紅山に登るのか躊躇しながら進む。初心者や高齢者は、あの斜面とは逆側の北側からも登ることがお勧めらしい。58歳って高齢者になるのだろうか・・・。毎週のように歩いているが、古傷を持つ足腰の強さは初心者の域をさほど出ていないようにも思う・・・。



迷いを持ちながら、紅山の斜面の下まで来てしまった。そそり立つような岩稜に足が竦む思いがするが、ままよとばかりに、山頂に向かって岩場を登っていく。



遠望で確認していたとはいえ、斜面の角度はドンドン急になっていく。幸い岩は固く崩れることもなさそうだし、グリップが効きやすいのだが、靴底に不安があるだけに、相当怖い。途中から二本足で歩くことは困難となり、四つん這いになりながら、安全そうな道を探して登っていく。



後ろを振り返ると、さらにヤバい。見事な一枚岩だ、と感心している場合ではない。高所恐怖症でないはずだが、ゾクゾクしてくる。足を滑らせたら一巻の終わりだ。えらいトコに来てしまった、と後悔するが、ここまで来ると最早頂上まで登り切るしかない。



紅山(182m)を制覇。達成感も喜びも無い。無事頂上まで辿りつけたことの安堵感があるばかりだ。燃え尽きてしまった・・・。この山は危なすぎる。もう二度と来ない・・・。



達者な人は、あの斜面を駆け降りるらしいが、到底無理だ。斜面とは逆の北側か下山していく。相当な急坂で、斜面を回避して、この坂から紅山に登るのもかなり大変そうだ。



紅山の頂上で水を飲み切ってしまった。この後、どこで水分補給できるのだろうか。紅山の岩稜斜面登攀で肉体的ばかりか精神的なダメージも食らったうえに、水分の不安も重なってきた。山道にひっそり咲いた百合の花が、少しばかりだが心に安らぎを与えてくれた。



紅山を下りきったところに、歩いてきた小野アルプス表銀座山道のイラストがある。表銀座があるということは裏銀座もあるということだろうか。



紅山は下山したが、ここから駅までが遠い。冬には無数の鴨がやってくる鴨池の近くまで来て、ようやくペットボトルにありつく。鴨池の向こうは、名門小野カントリー。いつかプレイをしてみたいところだ。



JR加古川線の小野町駅に到着。覚悟していたとはいえ、30分以上の待ち時間。駅前の自販機でさらに1本ペットボトルを飲み干す。



トレッキングシューズの爪先部は崩壊寸前。良くもってくれた。あの紅山の斜面でも、最後の力を振り絞るかのように、岩盤に食らい付いてくれた。長年世話になったが、もはや延命は難しそうだ。



本日の歩行記録。13.5kmとなっているが、ハイキングマップによれば、「ゆぴか」から紅山下山までだけでも14km近くあることになっている。これに、神鉄市場駅~ゆぴか間、紅山登山口~小野町駅の5kmが加わって、計19km歩いたことになるはずなんだが・・・。最近、このアプリが疑わしく感じられる。



標高グラフ。やけにツンツン尖ったグラフになっている。最後の棘のような軌跡が紅山だ。

 
 
いやぁ、手強かった。というより、怖かった。湖南アルプスの金勝山や、須磨アルプスの馬の背なんかとは比べものにならない。低山アルプス恐るべし。