堺百舌鳥古墳群スタンプラリー

2016年8月6日(土)


南海電鉄が主催している堺百舌鳥古墳群スタンプラリーに出掛ける。つい先日、今年も世界遺産への推薦を逸したとのニュースがあったばかりという微妙なタイミングだが、そんなことは関係なく酷暑のなかのウォーキングに出掛ける。



スタンプポイントは計6ヶ所。ひとつ目のスタンプを南海高野線の中百舌鳥駅でゲットし、百舌鳥三陵周遊路の標識に従って、中百舌鳥駅のスタンプのデザインにもなっていたニサンザイ古墳を目指す。この種の標識が最近随分増えてきた。



ニサンザイ古墳。水面に古墳の樹林が綺麗に鏡写しになっている。ニサンザイとは「陵」という意味らしいが、被葬者は不明。百舌鳥古墳群の多くの古墳の被葬者が不明であったり、諸説あったりするが、このあたりも世界遺産登録に向けてのネックになっているようだ。



柵にも埴輪型の支柱が用いられたり、いろいろと細かな工夫もされている。百舌鳥には44の古墳があるとパンフレットなどには説明があるが、形も大きさも様々だ。さらに整備状況も管理主体もマチマチになっている。まあ、それだから、いくつもの古墳を歩き回る面白味があるとも言えるのだが・・・。



百舌鳥八幡宮。本殿の前にある大きな楠は樹齢800年。大阪府の天然記念物にも指定されている立派なものだ。秋にはふとん太鼓で有名な大規模な祭礼が執り行われる。ここでゲットしたスタンプは、この後向かう御廟山古墳。



御廟山古墳。方墳部と円墳部を繋ぐ「くびれ」が辛うじて観察できる。スタンプラリーのマップどおりに歩くだけではつまらないと、敢えて遠回り、寄り道を繰り返してきたが、この辺りで半端ない暑さになってきた。



続いてはイタスケ古墳。都市化されそうだった古墳を、住民運動で守り切ったものだ。開発調査の際に掛けられたという橋の残骸が今も残っている。



JR阪和線を越えて、大仙公園へ。かつて石津川河口から北側に200基以上もあった灌漑用の風車が、どうしたことか大仙公園に保存されている。もっとも羽根は外されているし、黄緑色に塗られていたりして、子供時代に南海電車の車窓からよく見た風車とは、少々イメージが異なる。



数年前のゆるキャラグランプリで、投票数わずかに4票で圧倒的な最下位に輝いたポピアンが今どうしているのかが気になって、大仙緑地の中にある堺市都市緑化センターを訪ねると、正面入り口でポピアンが出迎えてくれた。相変わらず、変な配色だし、垢抜けのしない体形の不思議キャラクターだ。



以前購入した際より、絵葉書の種類が増えている。ポピアンの人気は今も健在なんだろうか。それともただの売れ残りなんだろうか。壁に貼ってあるポピアン宛の手紙類は、随分前の日付のものばかりが目につく。



大仙公園内には、小さな古墳が数多く点在している。この平べったい丘のようなところも古墳なんだそうだ。どうやら埋葬品などが掘り出されて、ここが古墳だと分かったもののようだ。



堺のスタンプラリーでは必ずと言ってよいほどスタンプポイントになる堺市博物館で、仁徳天皇陵のスタンプをゲット。博物館の前には、千利休の座像があるが、あらためて見ると、大河ドラマで利休を演じた桂文枝によく似ている。



百舌鳥古墳群を代表する仁徳天皇陵。面積も大きいが、陵墓の樹木の厚みが半端ではない。山といっても言い過ぎではないような深さを感じさせる。



南海電鉄高野線とJR阪和線が交差する三国ヶ丘駅。 駅前の電話ボックスのうえには、百舌鳥八幡宮のふとん太鼓の神輿のようなものが載せられている。



いつの間にか、南海三国ヶ丘駅の屋上に、みくにん広場なる屋上公園が出来上がっていた。正面に見える仁徳天皇陵を展望するための施設にもなっていようだ。ここで4つ目のスタンプをゲットしたが、なんと、ここのスタンプも仁徳天皇陵。堺市博物館と被っているじゃぁないか。



何度も歩いているところなんだけど、新しい発見が続く。中央環状線と国道310号線を結ぶ地下道の一車線が、歩行者道になっていた。よく車で通った道でもあるだけに、ここを歩けるなんて、とても嬉しい。



南海高野線。向こう側が堺東の街並み。一番高いビルが堺市役所で、最上階の21階が仁徳天皇陵などを見下ろすことができる展望コーナーにもなっている。今回もそうだが、市役所21階も、定番のスタンプポイントだ。



今回のスタンプラリーでは全く無視された存在だが、反正天皇陵にも立ち寄る。近くの高校に通っていたため、この辺りもよく歩いたが、当時は荒れ放題だった。



堺市内の路上にある「てくてくろーど」と書かれた石板。このサイコロの目が、何かの意味を持っているはずなのだが、すっかり忘れてしまった。せっかく可愛い案内標識を作っても、観光客に何の事だかさっぱり判らないようでは、用を成さない。



5つめのスタンプポイントが南海堺東駅。高島屋と同居した立派な駅ビルだったが、高島屋の売り場面積は、かつてと比べて大幅に減っている。ちょっとした買い物でも、難波まで行ってしまう人が多いのだろう。政令指定都市とはいえ、地域の中核的な存在にはなり切れず、大阪市に依存しているところは大きい。



最後のスタンプポイントの堺市役所21階展望台。仁徳天皇陵方面を写真に撮っている丁度その時、大きな稲妻が走った。ゲリラ豪雨がやってきそうだ。



マップ上に押印されたスタンプが計6つ。最初の4つが古墳であったのはいいとして、堺東駅では南海の車両、堺市役所では「はにわ課長」のスタンプ。統一感は無い。堺市といえば、続々と不思議なゆるキャラを登場させているが、最近は古市百舌鳥古墳群の世界遺産登録運動のせいか、一押しは「はにわ課長」のようだ。しかし他の堺のキャラクター同様に可愛げは無い。



堺東の観光案内所でスタンプコンプリートのご褒美をいただく。クリアファイルが2つ(古墳、南海電車)、さらにフリクションペン、メモ帳、と、かなりの奮発していただいた。



堺東の観光案内所で売られていた堺の懐かしいお菓子セット。あたり前田のクラッカーをはじめ、シスコのサブレや都こんぶなど、これで360円。堺では千利休以来の茶の湯に関係するのか、伝統的な和菓子も多く見られるが、スナック菓子も多く製造されているようだ。



本日の歩行軌跡。スタンプラリーの台紙のおすすめコースを逸脱して遠回りを繰り返した結果。14kmほどのウォーキングになってしまった。とにかく暑くて、少し歩くと身体から水分と塩分がすぐに無くなっていくのがよく判った。



ゲリラ豪雨はすぐそこまでやってきたようだが、降りだす直前に電車に乗り込み帰路に向かうことができた。