古都祝奈良スタンプラリー

2016年9月22日(祝)


奈良市が2016年の「東アジア文化都市」に選ばれたことに併せて、「古都祝(ことほぐ)奈良」という「時空を超えたアートの祭典」が開催されている。そもそも、毎年、日中韓の3都市が選ばれる東アジア文化都市とは何なのか、1年目は横浜、2年目は新潟、というのもピンとこないが、3年目にしてようやく真打登場といった感じだ。ちなみに来年の候補が京都なんだそうだ。



東アジア文化都市にはあまり興味がないが、奈良を代表する8社寺と最近どんどん整備が進んでいる「ならまち」を舞台した古都祝奈良スタンプラリーは是非とも参加しなければ、と近鉄奈良駅前に設置されている特別カウンターで、台紙や資料を入手して出発する。午後から雨、ところによっては大雨との予報だが大丈夫だろうか。



まずは近鉄奈良駅にほど近い興福寺へ。う~ん、これがアートってやつかぁ。イランの芸術家の手による「開花」という作品だ。興福寺のシンボル的な五重塔ではなく、やや地味で背の低い三重塔との方が調和が取れているように感じる。



次は東大寺だ。人混みを避けて、観光客があまり通らない西側から境内に入る。驚いたことに、鬱蒼とした林に「イノシシ注意」の貼り紙がある。その向こうでは鹿がのんびりと草を食べている。



東大寺大仏殿前にある鏡池に、中国伝統の木製帆船が浮かべられている。わざわざ中国から10人の船大工が来て作り上げたらしい。そんなことは、知ったことかと、ここでも鹿たちはひたすら草を食べている。10月初めが角切りのはずだが、なぜか角のある雄鹿が少ないように感じる。



奈良公園を南に2kmほど突っ切って春日大社へ。驚くことに、中国語や韓国語の案内放送が流れている。周囲も外国からの観光客が日本人の数を上回っているようにさえ感じる。まあ、考えてみれば、かつて大陸からの渡来人が数多く活躍した都市なのだから、これが本来の姿なのかもしれない。



本殿の脇にある、やや小さめの社殿の長い壁で、アニメーション映画が放映されていた。



続いて、春日大社から2kmほど西へ。ならまちの7か所で開催されているアートプロジェクトを順々に訪問する。ならまちの中にある重要文化財、今西書院。はじめて内部を見せていただく。



が、ならまち2つ目のポイントになっている公野堂町の路地裏にあるアートが台風のため修理中とのこと。で、スタンプも無い・・・。歩いて一気に15スタンプ全制覇の野望が潰えてしまった・・・。近くの観光インフォメーションセンターでも聞いてみたが、「どうしようもないですねぇ」と申し訳なさそうな言葉が返ってくるだけだった。



ならまちの真ん中にある元興寺。蘇我馬子の法華寺を飛鳥から移築したもの。入場料を払って、はじめてお参りする。本堂の瓦は1400年前のものなんだそうだ。



 再びならまちのアート巡り。狭い間口で、奥に細長い土間が続く奈良風の町屋だ。



古い染料倉庫と、かつてここで使われていた道具を利用しての空間アートなんかもある。蔦で覆われた倉庫だが、周囲はマンションや住宅だらけ。よくまあ、このような倉庫が手つかずで残っているものだ。



町の会所としても使われている大国主命神社のアートにはビックリ。天井から20基ほどの扇風機がぶら下がっている。風を受けて進む船に乗ったような体感が得られるように制作されたものだ。



ウォーキングのついでに、奈良のウォーキングイベントの情報などを収集するため、奈良市観光センターに立ち寄る。 せんとくんと一緒に、最近売り出し中の「しかまろ」というキャラクターが並んでいる。あまり次々に新キャラを登場させなくてもいいんじゃないかと思うが・・・。



ならまちには、「なーむくんのおうち」があった。遷都1300年祭用に制作された「せんとくん」が、仏様を侮辱しているとの批判とともに登場した代替のキャラクターだ。その後、悪評ばかりが先行した「せんとくん」の人気上昇に併せて、「なーむくん」は消えたと思っていたのだが・・・。



JR奈良駅を通過し、2kmほど南へ歩いて大安寺へ。初めての訪問。石碑に南都七大寺とあるのを見て気付いたが、今回のスタンプポイントになっている7つの寺院は南都七大寺そのものだ。(唐招提寺ではなく法隆寺を入れる説もあるが)



大安寺から少し離れた空地に、塔のようなものが建っている。突貫工事でくみ上げたような感じだが、凄い力作だ。ここは、かつて大安寺の七重塔が建っていた場所なんだそうだ。



大安寺から薬師寺に向かう。西に向かって3km以上歩かなければならない。幸い歴史の道と書かれた石碑が薬師寺に誘ってくれる。



アートのある薬師寺北側ではなく、遠回りして南門にやってきてしまった。ここからだと入場料が必要だ。ということで、さらに薬師寺の外を大回りして、無料ゾーンに向かう。



薬師寺のアート。う~ん、なんだろう、これは。インドの芸術家の作品のようだ。



薬師寺の北にある唐招提寺。スタンプは有料エリアにあるとのことで、大枚600円を支払って久々に拝観する。となると、貧乏性なもので、隅から隅まで見て回ってっしまう。いかん、時間が無いぞ・・・。



唐招提寺から、最後のスタンプポイントになる西大寺までの3kmほどは、相当な速足。17時までに到着しないと、スタンプポイントが閉まってしまう。既に15km以上歩いているというのに、よくまあ歩きとおせたもので、16時58分頃に無事到着。



撤収作業中だったが、スタンプの係の方も、笑顔で応じていただいた。西大寺の本殿は既に扉が閉じられていた・・・。



結局14か所のスタンプをゲット。各社寺の頭文字を象ったスタンプがいい感じだ。スタンプ8個なら缶バッジ、15個コンプリートすれば、さらにトートバッグが貰える。期間中再訪の機会があると信じて、景品を受け取らずに西大寺駅から帰宅する。



歩数計は3万歩超で20kmは歩いたはずだが、どういう訳か、いつもの歩行軌跡記録アプリが起動していなかったのは残念。しかし、大雨の予報さえあったのに、ほとんど雨に会わずに歩きとおせたことはラッキーだった。