王寺町スタンプラリー(聖徳太子の愛犬雪丸の里巡り)

2016年10月2日(日) ①


奈良県王寺町で開催された「聖徳太子の愛犬 雪丸の里巡り ウォーキングスタンプラリー」に参加する。大勢で歩くイベントはあまり好きではないのだが、これまで通過するばかりで見どころも知らない王寺町を知る良い機会になりそうだ。



王子駅からほど近い大和川河川敷に200人ほどが集合し、朝9時半からウォーキングイベントでは恒例の、関係者挨拶やら体操やらが行われる。王寺町のマスコット雪丸のほか、王子町在住のラジオ大阪の原田年春アナウンサーも特別参加。原田さんの放送を聞いて参加した人も多いようだ。



9時48分にようやく出発。大和川の河原に最近整備されたというアンツーカーの赤い歩道を、ゾロゾロ動き始めた手段の最後尾に付いていく。16kmのウォーキングになるとはいえ、スローペースにも程があるぞ。



別段急ぐ必要もないし、誇るような健脚の持ち主でもないが、集団を少しずつ追い抜い抜いていく。大和川を渡る近鉄生駒線の鉄橋の下を潜る。単線ではあるが、鉄橋は複線化を先取りした構造になっているようだ。橋の向こうは三郷町だ。



わずか3つのスタンプポイントを巡るだけなら、もっと近道があるのだが、せっかくなので、お勧めコースを愚直に歩いていく。先頭がどこにいるのかは判らないが、おそらく5~6番目くらいを歩いているように思う。



スタンプポイントでもないし、脇道に入って再び同じ道に戻ることになるが、マップに従って孝霊天皇陵にやってきた。いわゆる欠史八代と呼ばれる実在が疑わしい第七代天皇になる。



天皇陵から下りていくと、大和川の河川敷から雪丸が車で駆け付けて登ってきた。コース内のアチコチに先回りして、参加者を応援するとのことだったが、雪丸を見たのはこれが最後だった。



王寺のニュータウンの突き抜ける道を南に進む。山を切り拓いてできた町だけに、結構アップダウンがあったり、階段があったりして、鬱陶しい。



いよいよコース中最大の難所と思われる明神山の山頂に向けて登り始める。たかだか273mの標高なんだけど、なかなか頂上に辿りつかない。



結局、登り口にあった鳥居から山頂まで25分かけて山頂にやってきた。立派な展望台が製作中なんだけど、もともとハルカスに向いていた円形の展望用オブジェを、町民の意見を反映させて明石海峡大橋に向けるよう作り直しているらしく、立入りできない。



山頂で最初のスタンプをゲット。360度パノラマがウリなんだけど、あいにく全方向とも霞んで良く見えない。二上山がぼんやりと確認できる程度だ。



明神山を下りて、今度は西に向かう。3~4km四方ほどしかない王寺町域をトコトン活用して、16kmのコースを作り上げたようだ。2つ目のスタンプポイントは香芝町との境にある尼寺廃寺跡。飛鳥時代には立派な伽藍があったそうだ。



驚いたことに、スタンプポイントには誰もいない。係員もいなければ、参加者も見当たらない。大勢で歩くのは嫌いだが、ここまで人がいないと寂しい・・・。



推古天皇が、ここのお地蔵さんへの祈願によって、母乳の出が良くなったんだそうだ。一枚写真を撮ったものの、間違っていたようだ。乳垂地蔵さんは、この隣にある小さな地蔵だと後で判った。こちらの方が渋い雰囲気なんだけどなぁ・・・。



交差点付近屋外広告物禁止地域との垂れ幕がある。美観を守るための処置なんだろうけど、交差点の電柱には不動産屋の広告がしっかり貼られている。実効性があるんだろうか。



大和川の支流になる葛下川に沿って、王寺町の西端を北に進む。さすがに疲れてきて、後方から来た2人に追い抜かれるが、逆にホッとする。遊歩道が美しく整備されている。川の向こうは河合町になる。



歩道の脇に「風船ダム」という標識があって気付いたが、黒いゴムのようなものが川に設置されている。どうやら風船のように、空気を送り込むことで川を堰き止めることができるもののようだ。



3つ目のスタンプポイントになっている達磨寺に到着。もっと達磨さんがズラリと並んだお寺をイメージしていたが、ちょっと違った。



ここに雪丸の墓がある。聖徳太子の愛犬だけあって、人の言葉を喋ったり、お経を唱えたりまでできたそうだ。さらには、死んだら達磨寺に埋葬してほしい、と言ったんだそうだ。なんというお犬様だ。



達磨寺には、松永弾正久秀の墓がある。戦国時代を代表する梟雄として、一時は足利将軍を凌ぐ勢力を誇っていた武将の墓としては、あまりに小さい。信貴山城で自爆という劇的な最期だったとはいえ、雪丸の墓のお供えのような存在になっているのがちょっと寂しい。



王子町役場の横にある「和の鐘」。王寺町のシンボル的存在だが、その前にも雪丸像がドーンと据えられている。



王子町のマンホールにも和の鐘が描かれているが、最近の雪丸強力プッシュの状況では、マンホール絵柄も雪丸に取って代わられるのでは、とさえ感じる。



王子駅に戻ってきた。王子町内を一周したものの、多くの人の興味を惹くほどの魅力の観光スポットには乏しいように感じる。どちらかといえば、やはり王子は鉄道の町ではなかろうか。奈良・大阪間の要としてJRだけでも、相当な規模になっている。



ゴールになっているのが、王子駅前にある複合施設、りーべる王子。以前は、信貴山の寅をモチーフにしたと思われる虎たちのキャラクターで溢れていたが、今や雪丸が主役になりつつある。まあ、信貴山って、王寺町ではなく平群町なんだから仕方ないかもしれない。



ウォーキングマップに3つのスタンプ。行程は16kmとのことだったが、手元のスマホの歩行記録によれば15km弱。まあ、どっちでもいいことだけど。所要時間は3時間40分ほど。時速4km強のペースで歩きとおしたことになる。



スタンプラリー達成のご褒美は、雪丸の人形。結構大きい。ここまで、ずっと感じていたことだけど、あらためて人形を見て思う。雪丸って、あまり可愛くない・・・。



ゴールは13時半。まだ時間はあるので、ここから奈良に出て、先日1ヶ所だけクローズだったため未達成のままになっている古都祝奈良スタンプラリーのコンプリートを目指すこととする。(②に続く)