天保山さくらまつり

2017年4月8日(土)


大阪市港区の天保山で、さくらまつりが開催されている。これまでも天保山でのイベントには何度か参加しているが、さくらまつりは今年から始まったもので、スタンプラリーも開催されているようだ。



海遊館に向かう大勢の人たちとともに、地下鉄大阪港駅にやってきた。海外からの観光客も随分多い。天気予報では午前中で雨はあがるとのことだったが、お昼を過ぎてもなお空はドンヨリと曇っている。



何度も訪れているはずなのに天保山公園に桜があったかどうかなど気にしたことが
なかったが、結構な本数の桜が咲き誇っていることに驚く。もう少し天気が良ければ、観覧車との組み合わせで、もっといい感じの写真が撮れるはずだ。



標高4.5mの天保山の山頂に登る。山頂のすぐ傍を帆船が通っていく。長らく日本最低の山として君臨してきたが、最近、津波で削られた仙台の日和山が最低標高と認定されてしまった。看板は相変わらず「日本一低い山」のままだ。



桜と菜の花に囲まれた、天保山のベストポジションに、明治時代に大阪築港事業を推進した西村捨三翁の銅像がある。初代の大阪築港事務所長を務め、後に大阪府知事となった人だ。



写真に手を加えて、ピンク色を強調してみたが、う~ん、イマイチだ。やはり空があまりにドンヨリしすぎて、桜の色が映えない。



公園では、太鼓の演奏やら舞踊などが披露されている。



と、思ったら、港区長が登場した。つい最近までは大正区長で、昨年11月に参加した大正区シティロゲイニングでもお目にかかった。この4月に港区長に横滑りしたらしい。芸達者の人だけに、歌や演奏などを披露されるようだ。



天保山公園でひとつめのスタンプをゲットし、次に向かったのは、あまり観光客は足を向けることのない、大阪港駅の南側にある赤レンガ倉庫。モコモコの桜が満開になっている。



大正時代に住友倉庫によって港湾倉庫として建設された風格ある近代建築なんだけど、耐震性に難ありとのことで、転用されないままに長らく放置されていたところだ。



が、なんと知らない間に、クラシックカーの展示場になっているではないか。ちょっと覗いてみるか、と思ったところ、入館料は1500円! レンガ倉庫の中は見てみたいと思うものの、クラシックカーにまるで興味のない者にとっては到底払えない。



続いては住吉神社。住吉大社の境外末社とのことだ。住吉大神は航海安全の神様なので、海運業の拠点であったこの地に住吉さんが祀られるのは納得できる。もっとも本殿で見られる絵馬のほとんどは合格祈願だったけど・・・。



住吉神社で3つめのスタンプをゲットした頃、雨が降り出した。地元のボランティアと思われる方々が、慌ててスタンプ台を軒下に移動させていた。



最後のスタンプポイントは、築港高野山釈迦院。名前のとおり、真言宗のお寺だ。これまで大した寺ではないと思っていたが、明治時代に弘法大師がこの地から唐に渡ったことを顕彰して開基されたそうで、当時は7千坪を超す広大な敷地を有する大寺で、東の四天王寺、西の築港高野山と並び称されたらしい。




空襲の後は、こじんまりとしたお寺として再建されているが、大阪港湾労働殉職者の碑など、往時は大阪港地区の中心であったことが伺える石碑類が多く見られる。


大正末期、淡路島沖で試験潜水中の潜水艦が機関故障のため浮上できず死亡した88名もの将兵や技術者を慰霊する碑も見られる。その後引き上げられて改修するも、再び沈没して何十名もの死者を出すという、呪われた潜水艦として有名だ。



浪曲塔と書かれた石碑も見られる。戦前、港湾労働者の間では浪曲がとても盛んだったらしい。



今日は、お釈迦様の誕生日となる花まつり(灌仏会)。花御堂の中の仏様に柄杓で甘茶を掛けてお祝いさせていただく。甘茶も振る舞っていただいた。最近、苛立つことや悩むことの多い日が続くが、少し気持ちを和らげることができた。



さくらスタンプラリーにお似合いのカラフルな台紙になった割には、以前のイベント同様、スタンプは港区のマスコットキャラクターで、インクも掠れてしまっている。それはともかく、スタンプは無事コンプリート。



コンプリートのご褒美は、地元のスポンサーから提供されたと思われる数種類のなかから、税関のマウスパッドと、消防局のティッシュとキャンデーを戴く。



結局雨は降り止まないまま。わずか3km余りという短いウォーキングで、不完全燃焼気味だが、とてつもなく老朽化した地下鉄の案内標識に従って帰宅する。