続・六甲山上周遊スタンプラリー

2017年5月28日(日)


GWに全10ヶ所のうち、7つのスタンプポイントで時間切れ、体力切れになってしまった、ヤマスタの六甲山上周遊スタンプラリー。残る3ヶ所を制覇すべく、再び六甲山に登る。タイトルはお気軽感満載のスタンプラリーのようだが、その実は、夏を目前に控えてのタフな登山になる。



阪急芦屋川駅からロックガーデン、風吹岩、雨ヶ峠を経て山頂に至る、六甲銀座と言われる王道ルートを選択。登山者の多い時間帯を外したとはいえ、11時のスタートは、ちょっと遅すぎやしないかぁ。六甲山を舐めているつもりはないのだが・・・。



芦屋川を出発して20分ほどで高座の滝に到着。さあ、ここから本格的な山登りが始まる。



芦屋ロックガーデン。なんだか、遊園地みたいな名前だが、日本におけるロッククライミング発祥の地として知られる険しい岩場が続く。小さな子供も親に連れられて頑張って登っているが、ちょっとヒヤヒヤしてしまう。



皆の後ろを付いていくように、中央稜を進めば、足元もしっかりしているし、道に迷うこともないのだが、ひとつ間違うと事故に繋がるような岩場が続く。かつて滑落事故で4ヶ月の入院をしただけに、慎重にも慎重を重ねながら進んでいく。



かつて、この辺りで赤いペンキで矢印を多数書き込んで、景観を破壊するどころか、誤った道にハイカーを導くような悪戯があったと聞くが、今も赤ペンキの矢印やバツ印がいくつも見える。矢印が正しい道を示しているのか疑心暗鬼で進んでいく。



風吹岩の手前で猫に遭遇。どうやら、この辺りに住み着いている名物猫らしい。どうしたことか、この猫が、私の歩くペースに合わせて先導するように歩いてくれる。



猫の後ろを歩いていると、突如道の右手からイノシシが現れた。体長1mほどもある
イノシシの登場にビビってしまう。まさか猫は、イノシシを紹介してくれるために道案内してくれていたのだろうか。



狭い道なので、一時は1mほどにまでイノシシと接近したが、こちらに興味を全く示すことなく、今しがた私が登ってきた道を悠々と下って行った。風吹岩周辺はイノシシが多いとは聞いていたが、ここまで大きいとは・・・。



風吹岩。岩に登って遊ぶ子供たちや若者が多数。思わぬ大イノシシとの遭遇で、度肝を抜かれたこともあって、ここで大休憩。



風吹岩からさらに登っていくと、芦屋カントリー倶楽部のなかに入り込んでいく。登山道とゴルフ場はうまくセパレートされて、互いに干渉しないように設計されているが、敢えて少し道を外れてゴルフ場を遠目に見物する。いいゴルフ場だ。



雨ヶ峠を過ぎると、道はやや平坦に、そして、せっかく登ってきたのに下り坂になったりしながら、住吉川の源流となる渓流に至る。せせらぎの音が疲れた身体に心地よい。



気温はさほど高くはないが、日射しはきつく、森の色も青々として、既に夏山の様相だ。思っていたより水を飲みながら、山頂を目指してひたすら登り続ける。



山頂に近づくと、あちらこちらにヤマツツジの花が咲いている。不思議なもので、緑と青と茶色ばかりを見てきた目に赤い色が飛び込んでくると、気持ちばかりか、身体もリフレッシュするように感じる。



山頂まであと少し。大阪湾や大阪平野が広く見渡せる。



芦屋からスタートして、休憩を挟みながら4時間もかかって、ようやく山頂に辿りついた。思ったより時間が掛かってしまった。こんな見晴らしがよくて、付近にアンテナがいっぱい立っているというのに、電波状態は悪く、長い時間を掛けてデジタルスタンプをゲットする。



次のスタンプポイントは六甲ガーデンテラス。自動車が走る舗装道を行けば、随分楽なんだろうけど、アップダウンのあるハイキング道を進む。舗装道を幾度となく渡ることになるが、車の通行がいつもより多くて、横断に時間がかかる。



石段や丸太階段も少なくないが、平坦な部分は実に快適。ヤマツツジが咲き、笹が生い茂るなかを、ドンドン進んでいく。



道の向こうにアンテナ群が見えてきた。六甲ガーデンテラスまであと少し。



ここまで歩いてきた雰囲気とは一変して六甲ガーデンテラスは、観光客で大賑わい。二つ目のスタンプをゲットした後、場違いなところにやってきたように感じながら、足早に通り過ぎる。



ガーデンテラスから、みよし観音に向かう林道は、お気に入りの道のひとつ。歪曲した樹々の幹や枝が、とても幻想的な世界を創りだしている。



六甲オリエンタルホテル。六甲を代表する老舗ホテルだったものが、阪神・阪急の統合で、六甲山ホテルとの競合を避けるためか、閉館されてしまった。もう10年ほども経つはずだが、建物はそのまま。この後どうなるのだろうか。



こちらも休業してから10年以上は経つ六甲有馬ロープウェーの表六甲線。ロープウェイを支えていた鉄柱も錆だらけになっている。



最後のスタンプポイント、天狗岩。実のところ、初めてやってきた。ロープウェイや六甲オリエンタルホテルの休業のせいかもしれないが、絶景ポイントとして名高い天狗岩だが、訪れる人は随分少なくなったのではなかろうか。



2日も掛けてしまったが、スタンプは無事10個をコンプリート。達成トロフィーの画像がスマホ上に出現した。これはこれで嬉しいが、リアルスタンプをコンプリートするのと比べると、どうも達成感には欠けてしまう。



さあ、天狗岩から下山する。天狗岩南尾根と呼ばれる道だが、あまりメジャーな登山道ではないようで、簡単な六甲山マップには登場せず、どのような道なのか、よく判らないまま不安な気持ちで下りていく。加えて、この時点で17時を随分過ぎている。日暮れまでには、十分下山できるはずだが・・・。



ひたすら下りていく。道は狭く、急な下りが続く。あまり見るべきところは無く、標識も少なく、ベンチも1ヶ所で見られただけだ。



1時間ほどして、住吉川の上流にやってきた。六甲オリエンタルホテルを通過後、誰ひとりとも出合うことが無かったが、ここまで来れば渦森台という新興住宅街は目と鼻の先だ。もっとも、この住宅地の標高は300m以上もある。



神戸製鋼の製鉄所の先にポートアイランドを見渡すことができる。赤白の物揚げクレーンが、ビッシリと立ち並んでいる。



渦森台から先も、急な下り坂が続く。阪急御影駅に到着したものの、下り坂の連続でおかしくなった足腰をもとに戻すため、身体のクールダウンを兼ねて、ゆっくりと阪神御影駅まで歩いて、本日のハイキングは終了。終わってみれば、約20km歩いていた。



標高記録。六甲銀座から登るだけでも、相当疲れてしまったが、さらに急峻な道となっている天狗岩南尾根からの逆行は、もっと疲れるに違いない。



登るたびに思うのだが、六甲山って、比叡山や愛宕山とさほど標高は変わらないはずなのに、いつもひどく疲れさせてくれる・・・。