ニューヨーク散策(ブルックリン橋)

2018年4月7日(土)


ニューヨークでの休日。まだ肌寒いが、マンハッタンを出て、ブルックリンまで歩いてみよう。スタートはいつものグランドセントラル駅。目指すのは真南にあるブルックリン橋だ。



賑やかな4番街(パークアベニュー)を南下するのも面白くないので、2番街を進む。少し歩くと、マンハッタン中心部とは異なる生活感ある落ち着いた街並みになり、人通りも少なく、ゆっくりと街を観察できる。



日本でもそうだが、携帯電話普及に伴い、米国でも公衆電話はドンドン撤去されているんだけど、電話だけ無くなって、ボックスはそのまま残っているところを良く見かける。



どのパトカーの後部にも、「警官狙撃犯の逮捕・有罪に繋がる情報に1万ドルの報償金」とのステッカーが貼られている。特定の事件を対象にしたものではなく、警官が撃たれることが珍しくないことが判る。いつも呑気にアチコチ歩き回っているが、気を付けねば、と気を引き締める。



42ndストリートから歩き始めて、1stストリートまでやってきた。いかにもマンハッタンの東南端のような交差点だが、端っこまではまだ南に3km、東に2kmくらいある。昔はこの先は人が住んでいるようなところでは無かったのかもしれない。



ワシントンDCでは「さくら祭り」の真最中だと聞くが、マンハッタンにも桜っぽい花がキレイに咲いているところが見られる。



ブルックリン地区とマンハッタン地区の間を流れるイーストリバーを渡る橋は、意外なほど少なく、4本しかない。これは、北から2本目のマンハッタン橋。これも築後108年と由緒あるものだが、まずは観光名所のブルックリン橋を渡ることにして、マンハッタン橋は帰路に歩くことにしよう。



ブルックリン橋への登り口を示す貼り紙。なんと10ヶ国語で書かれている。世界中からの観光客が押し寄せていることが判る。



階段を登り、橋の上に出ると、橋を渡る人数の多さに改めて驚かされる。2km弱とはいえ、この人混みのなかをブルックリンまで歩くには相当時間がかかりそうだ。



鋼鉄製のワイヤーロープが縦横に張り巡らされている。サンフランシスコでゴールデンゲートブリッジを渡ったときと同様、途中で引き返す人が多く、だんだんと人の数が減ってくる。



振り返ればウォール街の高層ビル群が聳え立っている。



北にはマンハッタン橋。まずブルックリン橋ができて、その20年ほど後に2本目の橋としてマンハッタン橋ができたというが、両方の橋はさほど離れておらず、V字型に配置されているため、ブルックリン側ではさらに双方の距離は縮まる。



イーストリバーの河口方面には自由の女神が見える。自由の女神の建設が1886年だから1883年にできたブルックリン橋が3年先輩ということになる。



橋は二層構造になっていて、歩道が2階部、車道が1階部となっている。かつては2階部に路面電車が走っていたと聞くが、どういう構造になっていたのだろうか。



近年、この橋を訪れたカップルが永遠の愛の証として橋の柵やワイヤーに南京錠を取り付け、その鍵を川に捨てるということが随分流行ったそうだ。今は100ドルの罰金が科せられる。LOCKS(鍵)はダメ、LOX(鮭の燻製)は良い、という洒落の利いた標識が取り付けられている。



それでも、ところどころに、南京錠が見られる。誰かがずっと見張っている訳にもいかず、7完全に排除するのは難しそうだ。



ついにブルックリンに上陸。お洒落で流行の先端を行く地区として、最近は観光ガイドブックでも多く取り上げられているのだが、多様な文化が行き交う先端の芸術とか、古着屋とかカフェとか、個人的にはあまり興味のあるものではない。今日のところはマンハッタン橋で、さっさとマンハッタンに戻るとしよう。



ブルックリン橋と異なり、マンハッタン橋を歩く人は随分少ない。二層構造の橋の2階部分は自動車道、1階部分の真ん中にも自動車道、その両脇に鉄道(地下鉄)、そしてそのさらに外側が歩道となっている。



橋の上に合わせて4本もの軌道があるため、ひっきりなしに地下鉄が轟音を上げて走っていく。



ニューヨークが誇るべき歴史ある橋なのだが、こんなところにも落書きする馬鹿者がいる。かつてと比べればニューヨークも随分キレイになったのだが・・・。



マンハッタンブリッジの鋼鉄製の主塔。完成後100年以上経っているというのに、腐食など老朽化の気配は感じられない。



マンハッタン橋の最大の見どころは、橋の上から見るブルックリン橋とウォール街の高層ビル群だ。



歩道には川への転落防止のための金網が張られているのだが、誰の仕業か、ところどころ、写真のポイントになるようなところに、うまい具合に穴が空けられている。当局も目を瞑って補修していないように感じる。



再びマンハッタンに戻ってきた。アスタープレイス駅あたりにキタシロサイが3頭積み上げられたようなオブジェがある。説明には、キタシロサイは残り3頭になり絶滅必至だと書かれている。ウォーキングの後、調べてみると、つい最近最後の雄が死亡したそうだ。残るは雌2頭となってしまい絶滅が確定してしまった。悲しいことだ。



アスタープレイスには、不思議なオブジェ(アート?)が並んでいる。絶妙のバランスで立っているだけでも不思議な立方体だが、驚くことに押すと回転する。観光客が代わる代わる立方体の角を押している。



遅い昼食のため、カレー屋に入る。米国出張も2~3週間にもなると、こういうものが無性に食べたくなる。カレーの刺激が体を突き抜ける。旨かったが、チップ込で20ドルとは贅沢な昼食だ。



有名ラーメン店も、マンハッタンにいくつも店を出していて、地元の人が行列を作るほどの人気だ。こちらもラーメン1杯が20ドルくらいになる。マンハッタンの物価は高いし、日本から材料を持ち込んだりするのも大変だろうが、日本の3倍ほどもの代金を払うのには少々抵抗がある。



最近では、まさかの立ち食いステーキ店までがマンハッタンに出店している。これまた意外と人気が高いらしい。



出店する店も多ければ、撤退する店も多い。最近経営破たんしたトイザラスの系列店、ベイビザラスを覗いてみたが、店内はすっかり空っぽだった。



歩行距離19km。まずまず、よく歩いた。



ブルックリン探訪のつもりで出発したが、ブルックリンでの滞在時間は、わずかに10分余り。いずれ日をあらためてブルックリンを歩き回りたい。