大阪御堂筋アート2018スタンプラリー

2018年5月18日(金)


勝手知ったる御堂筋でアートスタンプラリーが開催されている。淀屋橋から本町までと、僅か1kmの間に16ヶ所のスタンプポイントが設けられている。デジタルスタンプなのが少し残念だけど、会社の昼休みにチャチャっとやっつけてしまうことにする。



淀屋橋と本町の中間地点にあたる道修町付近の御堂筋西側歩道からスタート。スタンプポイントの大半は歩道に多数設置されている彫刻だ。



 彫刻の脇にあるプランターに貼りつけられているQRコードをスマホカメラで読み取ると、彫刻の説明が表示される。これは、「考える人」などで知られる近代彫刻の父、ロダンの作になる「イヴ」。



スタンプGETすると、何とも無粋な表示が現れる。デジタルスタンプラリーなんだから、せめてもう少し気の利いたデザインにしてもらいたいものだ。



御堂筋沿いには、淀屋橋・本町間に30近い彫刻が設置されていて、どれも何千万円ほどもの値打ちのあるものと聞いているが、実のところ、道行く人々のほとんどは彫刻など見向きもしていない。



厄介なことに、彫刻脇のプランターは低く、QRコードを撮影するには思いっきり腰を屈めないといけない。職場も近く、昼休みということもあって何人もの知人に出会い、何してるんですか?と怪訝そうに尋ねられる。



スタンプポイントは彫刻ばかりではなく、最近設置されたパークレットなる場所もスタンプポイントになっている。にぎわいや憩いの空間の創出のために側道を一部割いてベンチなどを置くという社会実験だが、その意義はともかく、今回のテーマであるアートとは関係無さそうだ。



淀屋橋ODONAの2階にある、まちづくり情報発信拠点「iSPOT」もスタンプポイントになっている。アート作品が何点か壁に掛けられている。御堂筋の空きスペースにアート作品を置くことで、大阪の文化向上、にぎわいづくりに繋げるとの触れ込みだが、昼休みにも関わらず、室内は無人だ・・・。



一方通行の御堂筋は、信号が北から南への順々に変わっていくことで、信号待ちの回数を極小化している。そのため、平日の真昼間とは思えないほど、車が映り込まない写真も撮れる。



淀屋橋の手前でUターン。御堂筋の東側の歩道を南下する。御堂筋の歩道にほとんど座り込むような姿勢でQRコードを撮影していく地道な作業が続く。気温は高いが、心は寒い。



QRコードのある銘板には、「(設置者)大阪市都市計画局」とあるが、これらの彫刻は、御堂筋沿線の企業の寄付によって設置されたものだ。維持管理も沿線企業有志から成る一般社団法人だ。



 御堂筋のにぎわい作りに大阪市が随分ご執心のようで、このような飲食店やショールームが、元来オフィス街の淀屋橋・本町間にも少しずつ増えてきたが、狙い通り週末も賑わうエリアになるのだろうか。



梅田~難波間の御堂筋には市バスが走っている。地下鉄の真上だ。停留所数は、地下鉄の駅数の倍ほどあるが、時間は地下鉄の2倍以上かかる。徐々に本数が減っているようだが、乗客も少なく、必要性が疑問だ。民営化されて、この種のバス路線がどうなるのか注目だ。



本町のセントレジスホテルでUターンし、再び御堂筋西側歩道を北上していく。



北御堂までもがスタンプポイントになっている。正式名称は浄土真宗本願寺派 本願寺津村別院という。階段を上るのが鬱陶しい・・・。



スタンプゲットのためのQRコードを探すのに、かなり手間取ってしまう。随分奥まったところにアート作品が飾られていて、その横にようやくQRコードを発見できた。



北御堂で、全国に61か所もある西本願寺系の別院を対象としたグランドツーリングなるスタンプラリーがあることを発見。スタンプ8つで、西本願寺国宝巡りに招待してもらえるらしい。もっともスタンプを貰うには、期間限定の報恩講に参加しなければならないらしい。う~ん、生半可な気持ちでは挑戦できない。



御霊神社で最後のスタンプをゲット。拝殿の横に、近代アート作品が設置されている。



16ヶ所のスタンプを無事コンプリート。スマホ画面の御堂筋のマップに16本の旗が立った。これで後日市役所で行われる抽選会で2回クジが引けるらしい。スタンプラリーはデジタルなのに、抽選はアナログというチグハグなイベントだ。



長らく工事中だった、100m超の三菱UFJ銀行ビル(旧三和銀行本店)が完成間近だ。旧来の高さ制限31mが近年なし崩し的に緩和されてしまった。同じ軒高のビルが並ぶ美しいスカイラインに匹敵するアートの回復は容易ではないと思う。



御堂筋にズラリと並んだ、エキスポ誘致のフラグにも芸術性が感じられない。要らない文字が多すぎじゃぁないか。大阪・関西へ、と京都や神戸の心証を気にしているところも小賢しい気がしてならない。



歩行距離は2kmほどだが、昼休みの時間を目いっぱい使い切ってゴール。事務局のご苦労は判りつつも、辛口コメントばかりになって申し訳ない。気持ちが荒んで、ネガティブな見方しかできなくなっているようだ。